簡単な単語だけなのに出てくるとよくわからない英語表現の1つに “I got you.” があります。この記事では I got you をイメージを元に解説します。
I got you のイメージと意味
I got you は直訳すると「私はあなたをつかまえた」ですが、実際の会話では別のニュアンスで使われることがほとんどです。まずは I got you のイメージから確認していきましょう。
I got you のイメージは「私は you を自分のものにした、把握した、手中に収めた」です。このとき you が表している内容によって、I got you の意味が変わります。
you が表す内容 | I got you の意味 |
---|---|
相手自身 | つかまえた |
相手が言ったこと | わかった、了解 |
相手が隠したいこと | 見ちゃった |
相手が困っている状況 | 私に任せて |
冗談などで相手を引っかけたとき | やったー、引っかかったね |
なお、口語では “I got you.” は “Gotcha.” と短縮して使われます。gotcha は gotchya のように表記されることもありますが、かなりカジュアルな口語表現なので基本的に文章では使いません。
さて、I got you のそれぞれの意味について、具体的な状況を挙げながら確認していきましょう。
1. わかった、了解
A: Can you explain that again?(もう一度説明してくれる?)
B: Sure, it’s like this…(もちろん、こういうことだよ…)
A: Okay, I got you.(オーケー、わかったよ)
例文:I got you.(わかったよ)
この you が表す内容は「あなたが言ったこと」なので、I got you の意味は「あなたが言ったことを把握した」→「わかったよ」となります。
2. 見ちゃった
A: (Hiding a surprise gift)(サプライズギフトを隠している)
B: I got you! I saw the gift!(見ぃちゃった!ギフトが見えたよ)
例文:I got you!(見ぃちゃった!)
この you が表す内容は「あなたがこそこそやっていたこと」なので、I got you の意味は「あなたがこそこそやっていたことを把握した」→「見ぃちゃった」となります。
3. 私に任せて
A: I can’t find my keys anywhere.(鍵がどこにも見当たらないんだ)
B: Don’t worry, I got you. Let’s look together.(心配しないで、私に任せて。一緒に探そう)
例文:I got you.(私に任せて)
この you が表している内容は「困っている状況にあるあなた」です。このとき I got you は「私に任せて、私が助けるよ」という意味になります。
この I got you は “I got you covered.”(私があなたをカバーするよ、私が助けるよ)や “I got your back.”(あなたを応援するよ、私がついているよ)の省略だと考えるとわかりやすいと思います。
4. やったー、引っかかったね
A: Hey, did you hear? Our favorite band is breaking up!(ねえ、聞いた?お気に入りのバンドが解散するんだって!)
B: What? Really?(え、本当に?)
A: Nope, just kidding. I got you!(ううん、冗談だよ。引っかかったね)
例文:I got you.(引っかかったね)
冗談などで相手を引っかけたときは、I got you は「やったー、引っかかったね」という意味になります。相手をつかまえる=罠にはめるようなイメージで捉えるとよいでしょう。
「わかった」を表す I got you と I got it の違い
I got you と I got it の両方とも「わかったよ」という意味で使われますが、次のような違いがあります。
表現 | 違い | 説明 |
---|---|---|
I got you | 相手に対する理解 | 主に相手の言葉や感情、意図を理解したときに使います。 |
I got it | 物事に対する理解 | 主に物事(具体的な情報や指示など)を理解したときに使います。 |
I got you は相手に対する理解
A: I’m really stressed about the meeting tomorrow.(明日のミーティング、とても気が重いんだ)
B: I got you. Let’s prepare together tonight.(君の気持ちがわかるよ。一緒に今夜準備しよう)
この I got you は相手の気持ちを理解したことを伝えています。
I got it は物事に対する理解
A: Don’t forget to submit the report by 5 PM.(午後5時までに報告書を提出するのを忘れないように)
B: I got it.(わかったよ)
この I got it は具体的な情報(午後5時までに報告書を提出すること)を理解したことを伝えています。
I got you と I got it の重ね使い例
A: So, we need to finish this part of the project by Friday.(だから、金曜日までにこの部分のプロジェクトを終わらせる必要があるんだ)
B: Got it, I got you.(了解、わかったよ)
I got it と I got you は入れ替えても問題ないことは多々あります。I got you の方が相手に寄り添っているニュアンスが含まれやすいと解釈すればよいでしょう。
また迷ったときは、この例文のように重ね使い(Got it, I got you.)をしてしまっても構いません。肩肘張らずに使いこなしていきましょう。
「私に任せて」を表す I got you と I got this の違い
I got you と I got this の両方とも「私に任せて」という意味で使われますが、次のような違いがあります。
表現 | 違い | 説明 |
---|---|---|
I got you | 相手へのサポート | 相手が困っている状況や助けを必要としているとき、その人に対して「私が助けるよ」と伝える表現 |
I got this | 自分の自信をアピール | その状況を自分一人でうまく処理できると感じているとき、「私ならできる、私に任せて」と伝える表現 |
I got you は相手へのサポート
A: I forgot my wallet at home.(お財布を家に置いてきちゃった)
B: Don’t worry, I got you.(心配しないで、私が助けるよ)
この I got you は相手をサポートすること(=代わりに支払うこと)を伝えています。
I got this は自分の自信をアピール
A: The car won’t start. Do you know how to fix it?(車がうんともすんとも動かない。直し方、知ってる?)
B: I got this. Let me take a look.(私に任せて。見てみるよ)
この I got this は車を直す自信があることを伝えています。
まとめ
I got you のイメージは「私は you を自分のものにした、把握した、手中に収めた」です。
you が表している内容によって、次のように I got you の意味は変わります。
you が表す内容 | I got you の意味 |
---|---|
相手自身 | つかまえた |
相手が言ったこと | わかった、了解 |
相手が隠したいこと | 見ちゃった |
相手が困っている状況 | 私に任せて |
冗談などで相手を引っかけたとき | やったー、引っかかったね |
コメント