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have+O+過去分詞 の意味とイメージ解説

この記事は約9分で読めます。

have+O+C(OをCの状態にする)の応用として、have+O+過去分詞(Oを~してもらう)があります。この記事では、have+O+過去分詞 の用法についてイメージで解説しました。

この記事でわかること
  • have+O+過去分詞 のイメージと意味
  • have+O+過去分詞 で覚えておくべき用法
  • have+O+過去分詞 と get+O+過去分詞 の違い

中学英語イメージリンク

have+O+C の応用としての have+O+過去分詞

まず、have+O+過去分詞 の元である have+O+C 構文ですが、その意味は「目的語を~の状態にする」です。

周りの環境を整えるなど間接的な働きかけによって、目的語を~の状態にする」という感じで捉えるとよいでしょう。(詳しくは以下の記事をご参照ください。)

have+O+C (have+目的語+補語) の意味とイメージ解説
have の使役構文につながる have+O+C(OをCの状態にする)ですが、have の「もっている」という意味から、どうしてそのような用法が出てくるのか、わかりにくいですよね。この記事では、have のコアイメージから have+O+C...

have+O+過去分詞 のイメージは、have+O+C を応用した「目的語を~された状態/~し終えた状態にする」となります。

このような意味になるのは、過去分詞が「~された状態、~し終えた状態」を表すためです。

過去分詞のコアイメージは「過去の行為による結果の状態」ですが、行為者側の視点で見れば「~し終えた状態」、対象側の視点で見れば「~された状態」となることを押さえておきましょう。

 

さて、have+O+過去分詞 には次の3つの意味があります。

用法 意味
使役 ~させる、~してもらう
被害 ~される
完了 ~し終える

意味が3つありますが、慣れるまでの間は「使役(~させる、~してもらう)」の意味で使うと思ってもらってかまいません。他の「被害」や「完了」は、そういう用法もあるんだな、くらいの温度感で見てもらえればと思います。

使役(~させる、~してもらう)

例文:She had her car repaired.(彼女は車を修理してもらった)

彼女の車=修理された状態にする」で、「車を修理してもらった」という意味になります。

 

この had her car repaired のところをコマ送り画像で詳しく確認してみましょう。

have+O+過去分詞 は「目的語を主語の影響が及んでいる環境下に置いて、過去分詞の状態にする」という、ある意味ゆるい表現です。

そのため、この表現からは誰が修理したのかはわからない(=自分自身が修理した可能性もある)わけですが、ほとんどの場合において「他の人が修理する」、つまり「他の人に修理してもらう」となります。

I had my hair cut.
(私は髪を切ってもらった)

They had their house painted.
(彼らは家を塗ってもらった)

We had our photos taken.
(私たちは写真を撮ってもらった)

He had his teeth cleaned.
(彼は歯をクリーニングしてもらった)

They had their luggage carried.
(彼らは荷物を運んでもらった)

She had her car repaired. が「自分で車を修理し終えた」という意味にならない理由

もし自分で車を修理したのであれば、このような回りくどい言い方をする必要がありません。シンプルに She repaired her car. と言えばよいだけです。

つまり、わざわざ She had her car repaired. という have+O+過去分詞 を使うのは「使役(~させる、~してもらう)」の意味で使いたいからだ、と考えてかまわないわけです。

※たまに「自分が行動する」パターンで、have+O+過去分詞 の構文が用いられることがあります。それが後述する「完了(~し終える)」です。ただ、そこでも述べているように、別の言い方でも表現できます。そのため、初心者の間は、have+O+過去分詞 は「他の人が行動する」で捉えておいて問題ありません。

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被害(~される)

例文:I had my wallet stolen.(私は財布を盗まれた)

私の財布=盗まれた状態」という出来事があった(経験をした)というイメージで、「財布を盗まれた」という意味になります。

She had her phone broken.
(彼女は携帯電話を壊された)

They had their credit card information hacked.
(彼らはクレジットカードの情報をハッキングされた)

We had our garden destroyed by the storm.
(嵐で庭を壊された)

I had my wallet stolen. と My wallet was stolen.

I had my wallet stolen. と My wallet was stolen. は、どちらも「財布を盗まれた」という意味になります。では、どちらの表現のほうが使われやすいのでしょうか?

例文 違い 使用頻度の比率(※)
I had my wallet stolen. 自分の経験を強調 20%
My wallet was stolen. 事実を強調 80%

※使用頻度の比率は ChatGPT(4 omni)に質問をして得られた回答を表記しています。(以下同様)

注目すべきは、② My wallet was stolen. という受動態のほうが圧倒的に比率が高いことです。これは ② のほうがよりシンプルでストレートな表現だからです。

一方で、① I had my wallet stolen. の have+O+過去分詞 ですが、これは特別な意図があるときに使う表現と言えます。財布を盗まれたことで自分にどのような影響があったのかを述べる文脈で使われることが多く、自分に起きた出来事(経験)として被害を受けたことを強調しています。

 

私たちは英語を第二言語として学んでいるわけですが、英文を作る際に選択肢がたくさんあると迷いやすくなります。そのため、have+O+過去分詞の「被害(~される)」については慣れるまでの間は一旦無視して、シンプルな「受動態」で英文を作るようにするとよいでしょう。

完了(~し終える)

例文:I have my paper all written.(私は論文をすっかり書き終えてしまった)

論文=すっかり書かれた状態にする」で、「すっかり書き終えてしまった」という意味になります。この表現は、自分が書き上げた論文が完成している状態であることを強調しています。

I have a title already chosen.
(表題はもう選んでおいた)

I have a table reserved for four in the name of Tanaka.
(田中の名前で4人用のテーブルを予約したものです)

I have my paper all written. と I have finished my paper.

I have my paper all written. と I have finished my paper. は、どちらも「論文を書き終えた」という意味になります。では、どちらの表現が使われやすいのでしょうか。

例文 違い 使用頻度の比率
I have my paper all written. 結果の状態を強調 20%
I have finished my paper. 行動を強調 80%

この場合も注目すべきは、② I have finished my paper. の現在完了形のほうが圧倒的に使われていることです。②のほうがシンプルでわかりやすいからですね。

① I have my paper all written. は all written という状態を強調したい場合に使います。要するに「すっかり書き終えた状態の論文をもっている」ことを強調したいときです。

以上のことから、日常会話において「~をし終えた」と言いたい場合は「現在完了形」を使えば大丈夫です。have+O+過去分詞 の「完了(~し終えた)」については、英語に慣れてきてから扱うようにしましょう。

英会話イメージトレース体得法

have+O+過去分詞 と get+O+過去分詞 の違い

have+O+過去分詞 は基本的に「使役(~させる、~してもらう)」の意味をおさえておけばよいことを説明してきました。しかし、「~させる、~してもらう」という意味は get+O+過去分詞 という構文でも表現することができます。両者の違いは何なのかについて説明しておきましょう。

例文:I had my hair cut.(私は髪を切ってもらった)

have を用いた場合は「(周りの環境を整えるなど間接的な働きかけによって)my hair = cut された状態にした」ことを表します。誰かに切ってもらった可能性が高いです。

 

例文:I got my hair cut.(私は髪を切ってもらった)

get を用いた場合は「(なんやかんやして)my hair = cut された状態にした」ことを表します。この場合も誰かに切ってもらった可能性が高いです。

 

have と get のいずれの場合も「誰かに切ってもらった」可能性が高いため、その違いがわかりにくいですが、違いを端的に表すと次のようになります。

・have:結果を強調
・get:過程を強調

get は動きを表すため、命令形や動きを表す表現との相性がよいです。

例文 意味 特徴 使用頻度の比率
Go and have your hair cut. 髪を切りに行きなさい 少しフォーマルな表現 20%
Go and get your hair cut. 髪を切りに行きなさい カジュアルで自然な表現 80%

親が子どもに向かって言う場合は get の方がしっくりきますね。

It’s time to go and get your hair cut. Your hair is getting long.
(そろそろ髪を切りに行く頃合いだ。髪が長くなってきているよ)

Go and get your hair cut before school starts.
(学校が始まる前に髪を切りに行きなさい)

まとめ

have+O+過去分詞 のイメージは「目的語を~された状態/~し終えた状態にする」です。

have+O+過去分詞 には「~させる、~してもらう」「~される」「~し終える」という意味がありますが、まずは「~させる、~してもらう」の意味を使いこなせるようにしましょう。

用法 意味 例文 注釈
使役 ~させる、~してもらう She had her car repaired.
被害 ~される I had my wallet stolen. 普通は受動態でOK
結果 ~し終える I have my paper all written. 普通は現在完了形でOK

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