can’t have O 現在分詞(ing形) は「Oに~させておくことはできない」、won’t have O 現在分詞(ing形) は「Oが~しているままにはさせない」という意味ですが、どちらもわかりにくい表現ですよね。この記事では、どうしてそのような意味になるのかイメージから解説しました。
can’t have O 現在分詞(ing形) のイメージと意味
例文:I can’t have you saying anything like that.(あなたにそんなことを言わせておくことはできない)
can’t は「可能性の否定」を表しています。日本語訳としては「~することはありえない、~できない」などが当てはまりますが、この場合は「~できない」という意味で捉えるとよいでしょう。
have you saying は「you = saying の状態にする」というイメージで、「あなたが言っている状態にする」→「あなたが言っているままにする」→「あなたに(このまま)言わせておく」となります。
これらを合わせて「あなたにそんなことを言わせておくことはできない」という意味になります。
can’t have O 現在分詞 と won’t have O 現在分詞 の違い
can’t have O 現在分詞(ing形) と won’t have O 現在分詞(ing形) はほとんど同じ意味ですが、微妙にニュアンスが異なっているところもあります。その違いを確認しておきましょう。
例文:I won’t have you saying anything like that.(あなたがそんなことを言っているままにはさせない)
can’t が「~できない」という意味であるのに対して、won’t は「~させない」という意志的なニュアンスが強くなります。have you saying は同じ「あなたが言っているままにする」なので、won’t have you saying は「あなたが言っているままにはさせない」となります。
won’t have you doing と can’t have you doing の違いをまとめると次のようになります。
表現 | 意味 | 特徴 | 状況 |
---|---|---|---|
won’t have you doing | あなたが~しているままにはさせない | 相手の行動を禁止する意図がある(意図的な制限) | 話し手が権限や決定権を持っている状況でよく使われる(例:親が子供に対して、教師が生徒に対して、上司が部下に対して) |
can’t have you doing | あなたに(このまま)~させておくことはできない | 相手の行動が受け入れられない(可能性の否定) | won’t 同様に親・教師・上司が使えるが、won’t に比べると個人的な感情が強調される。 |
(あなたがそんなことはしているままにはさせない)
I won’t have her behaving like that.
(私は彼女があんな風に振る舞っているままにはさせない)
I can’t have you laughing at my friend like that.
(私の友だちをそんな風に笑わせておくことはできない)
can’t have O 現在分詞 の類似表現
can’t have you doing や won’t have you doing には「あなたが~することは許さない」という意味合いが含まれていますが、日常会話においてより使われやすい類似表現も紹介しておきます。
例文:I can’t stand you saying anything like that.(あなたがそんなことを言っているのは我慢できない)
can’t stand は「我慢できない」という意味で、日常会話でよく使われます。can’t stand you saying と can’t have you saying の違いは次のようになります。
例文 | 特徴 | 使用頻度の割合(※) |
---|---|---|
I can’t stand you saying anything like that. | よりストレートに強い感情(主に嫌悪感)を表す | 70% |
I can’t have you saying anything like that. | can’t stand に比べるとややフォーマルな印象を与える | 30% |
※ChatGPT(4o)に使用頻度の比率について質問した結果を表示しています。
can’t have you saying のほうがややフォーマルな印象になるのは、have のもつ婉曲性(直接的な動作を表さない)によるものと考えるとよいでしょう。
また、このことからもわかるように、私たちのように第二言語として英語を学ぶ際に、まず使えるようになるべき表現は can’t stand(我慢できない)のほうだと言えます。can’t stand のほうがストレートでわかりやすいためです。
can’t have のほうは少しすました表現ということで、レベルアップしてから使えるようになるということでよいと思います。
まとめ
表現 | 意味 | 特徴 | 状況 |
---|---|---|---|
won’t have you doing | あなたが~しているままにはさせない | 相手の行動を禁止する意図がある(意図的な制限) | 話し手が権限や決定権を持っている状況でよく使われる(例:親が子供に対して、教師が生徒に対して、上司が部下に対して) |
can’t have you doing | あなたに(このまま)~させておくことはできない | 相手の行動が受け入れられない(可能性の否定) | won’t 同様に親・教師・上司が使えるが、won’t に比べると個人的な感情が強調される。 |
can’t stand you doing | あなたが~しているのは我慢できない | よりストレートに強い感情を表す(嫌悪感) | can’t have がややフォーマルなのに対して、can’t stand は直接的な表現になる。 |
【参考記事】
「can’t(won’t) have O 現在分詞」の現在分詞のところを動詞の原形にした場合、意味はどうなるのかについては以下の記事をご参照ください。
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