現在完了進行形と現在完了形(継続用法)は日本語訳が似ていて違いがわかりにくいですよね。この記事では、現在完了進行形と現在完了形(継続用法)のイメージを元に、両者の違いを例文で解説しました。現在完了進行形の形式や意味・用法についてもまとめています。
現在完了進行形と現在完了形(継続用法)の日本語訳の違い
まず現在完了進行形と現在完了形(継続用法)の日本語訳がどのように違っているかを確認してみましょう。
例文:I have been working here for three years.(ここで3年間働き続けています)
例文:I have worked here for three years.(ここで3年間働いています)
現在完了進行形の方は「働き続けています」、現在完了形(継続用法)の方は「働いています」という日本語になっていますが、これだと違いがわかりにくいですね。
それでは日本語ではなくイメージで現在完了進行形と現在完了形(継続用法)との違いを確認してみましょう。
現在完了進行形と現在完了形(継続用法)のイメージの違い
現在完了進行形のイメージ
現在完了進行形は「have+been+現在分詞」という形式で、その意味は「ずっと~していて、まだ終わっていない」です。
現在完了進行形は「現在も動作が続いている状態」を表しています。
現在完了形(継続用法)のイメージ
現在完了形は「have+過去分詞」という形式で、その意味は「~し終えた(状態の)◯◯をもっている」です。
現在完了形には「~し終えた(完了)」「~したことがある(経験)」「~した結果(結果)」「ずっと~だ(継続)」の4つの意味があります。
現在完了形の継続用法は「現在までの状態」を表しています。
※現在完了形についての詳細は「現在完了形の意味・4用法まとめ」をご参照下さい。
現在完了進行形と現在完了形(継続用法)の違いのポイント
さきほどのイメージを元に、現在完了進行形と現在完了形(継続用法)の違いのポイントを挙げておきましょう。
意味 | ポイント | |
---|---|---|
現在完了進行形 | ずっと~していて、まだ終わっていない | 動作の継続・未完了 |
現在完了形(継続用法) | ずっと~だ | 状態の継続 |
ポイントは、現在完了進行形が「動作の継続・未完了」なのに対して、現在完了形(継続用法)は「状態の継続」であることです。
この点に注目して、現在完了進行形と現在完了形(継続用法)の違いを例文で確認してみましょう。
現在完了進行形と現在完了形(継続用法)の違いを例文で確認
例文:I have been working here for three years.(ここで働き続けて、3年間が過ぎました)
have been working は「ずっと働いていて、まだ終わっていない」という意味です。
現在完了進行形なので「現在まで働き続けていること」と「現在も働き終えていないこと(未完了)」というニュアンスを含んでいます。
話し手はまだ働き続けるつもりでいることがわかります。
例文:I have worked here for three years.(3年間、ここで働いています)
have worked は「働いている状態をもっている」という意味です。
現在完了形の継続用法なので「過去に働き始めて、現在まで働いている状態が継続している」というニュアンスを含んでいます。
話し手がこの先も働き続けるかどうかはわかりません。あくまでも言いたいことは「いままで3年間働いた」ということです。
練習問題
次の下線部を英文にしたとき、どちらの選択肢がより適切か選びなさい。
母親のセリフ『息子がいつもどうしているか気になっています。電話をしても相変わらず何も話してくれないんですよ。』
(1)I have been worrying about how my son is getting along.
(2)I have worried about how my son is getting along.
↓
↓
↓
正解(1)
(1)I have been worrying about how my son is getting along.(息子がいつもどうしているか、まだまだ心配が尽きません)
現在完了進行形を使った(1)は「ずっと心配し続けていて、まだ終わっていない」というイメージです。話し手はまだ心配することになりそうだと思っていることがわかります。
(2)I have worried about how my son is getting along.(息子がいつもどうしているか、いままでずっと心配しています)
現在完了形を使った(2)は「ずっと心配した状態をもっている」というイメージです。あくまでも言いたいことは「いままでずっと心配している」ということになります。
問題では下線部に続くセリフで「電話をしても相変わらず何も話してくれない」と述べています。「これまでの話」というよりは「これからも続くこと」が主眼になっているため、選択肢(1)のほうがより適切な英文ということになります。
現在完了進行形について
現在完了進行形と現在完了形(継続用法)との違いは以上ですが、ここで現在完了進行形がなぜ「ずっと~していて、まだ終わっていない」という意味になるのか、その理由を構成から見ておきましょう。
現在完了進行形の形式
現在完了進行形の形式は「have+been+現在分詞」です。
例文:I have been playing golf since 1989.(私は1989年からずっとゴルフをしています)
ポイントは構成要素に含まれている been と現在分詞なので、それぞれのイメージを確認していきましょう。
been のコアイメージ
beenのコアイメージは「ある期間ずっとある状態である(存在している)」です。
「過去にbe(状態または存在)が始まり、そのまま今に至っている」というわけです。
現在分詞のコアイメージ
現在分詞の代表的な意味は「~しているところ」で、コアイメージは「進行、ライブ感」です。
現在分詞には「未完了」のニュアンスが含まれます。
※現在分詞についての詳細は「現在分詞の意味・用法まとめ」をご参照下さい。
現在完了進行形の構成
現在完了進行形は「have+been+現在分詞」という形式でしたね。それぞれの構成要素は次のような働きをしています。
- 現在形 have:いま何かをもっている。
- 過去分詞 been:その何かとは、過去から現在までずっとある状態である。
- 現在分詞 -ing:その状態とは、いまもまだ行動している未完了状態である。
これらを合わせて「いまもまだ~している状態をもっている」となり、「ずっと~していて、まだ終わっていない」という現在完了進行形の意味につながるわけだったのです。
現在完了進行形の用法
現在完了進行形の用法も確認しておきましょう。
「未完了」を表す用法
例文:I have been reading the book.(その本は読んでいる途中です)
「その本をずっと読んでいて、まだ終わっていない」というイメージから「読んでいる途中です」という意味になります。
「変化している状態」を表す用法
例文:Who has been eating my potato chips?(誰が僕のポテトチップスを食べていっているんだ?)
「誰かが僕のポテトチップスをずっと食べていて、まだ終わっていない」というイメージです。
「僕のポテトチップスが減っていっている(動作の継続)けれど、まだ残っている(未完了)」という状況を表しています。
話し手が目を離したり席を外したりするたびに、誰かが話し手のポテトチップスを盗み食いしているわけですね。
現在完了進行形のまとめ
現在完了進行形は「ずっと~していて、まだ終わっていない」という意味を表します。
例文 | 用法 | ポイント |
---|---|---|
I have been reading the book. | 未完了 | その本を読んでいる途中 |
Who has been eating my potato chips? | 変化している状態 | ポテトチップスが減っていっている |
コメント
完了形を理解することは、私は物凄く苦労しました。なぜなら、日本語に完了形というものがなく、何のことかさっぱり分からなかったのです。そのため、何度も講師に聞いてやっと理解できたのですが、この記事はまず、難関の日本語の意味から詳しく説明してあるので、とても分かり易く、今まで同じ悩みのあった人でも、簡単になんだあと理解できる良い記事でした。特にコアや絵の解説は良かったです。
現在完了進行形と現在完了形の違いを、イメージや話し手のニュアンスを交えながら理解しやすく説明されていました。have been ~ingを現在形・過去分詞・現在分詞に分けて細かく説明していることもわかりやすいです。
日本語訳の違いでは、理解しにくい部分をイメージでしっかり違いを理解することができるという素晴らしい内容でした。また、練習問題も「電話をしても相変わらず何も話してくれないんですよ。」という後ろに続く文章にも注意を払う必要があるとてもいい問題で、よく理解できました。
「現在完了進行形」と「現在完了形」は日本人が苦手にしている用法の一つだと思います。しかし、最初のカラフルなイメージ図を眺めるだけで簡単に理解できるポイントとなりました。また、練習問題も確認作業にはもってこいのモノでした。
現在完了形の活用は文法の中でもややこしく、英語が苦手な人にとっては現在進行形との区別も難しいと思います。今回の記事は現行完了進行形の特集で、内容も分かりやすくて素晴らしいものでした。ただ、現在進行形との違いも付け加えてもらえれば、更に分かりやすくなると思いました。
現在完了進行形と現在完了形の継続用法は、違いが分かりにくかったが、現在完了進行形が「現在も動作が続いている状態」で現在完了形が「現在までの状態」という表現を使っていることで、違いがはっきり理解できた。また、現在完了進行形の形式や構成の部分はより踏み込んだ解説となっていて非常によかった。
用法もそうなんですが名前が紛らわしいので教育の偉い人誰か改訂してくれないかな、と学生時代は思っていました。現在完了進行形は終わっていない動作、現在完了形は状態の継続ということでざっくり覚えておこうと思います。
現在完了進行形と現在完了形(継続用法)は本当に使い分けが難しいと思っていましたが未完了のニュアンスがあるかないかで見分ければいいのかと理解できました。またhave+been+現在分詞の3つのそれぞれがそれぞれ意味を持っていることがよくわかりました。
現在完了進行形を理解することの難しさは、beenがはさまっていることにあると思います。今回の解説記事では、been のコアイメージに行数を割いて解説しているところに、学習者へのフォローが十分になされていると感じました。
現在完了形の「~し終えた」「~したことがある」「~した結果」「ずっと~だ」の4つの意味のうち、把握していない用法があったのでとても参考になりました。現在完了進行形についての説明でbeenと現在分詞のコアイメージがわかりやす買ったです。
現在完了進行形と現在完了形の違いの説明が頭にすっと入ってきてよく理解できました。現在完了を過去のことと考えてしまうとよくわからなくなってしまったりするので、今後はこれまでの話として考えるのが大事だなと思いました。