助動詞 will の代表的な意味
英語 | 主な意味 | 例文・フレーズ |
---|---|---|
will | ~だろう | It will be fine tomorrow.(明日は晴れるだろう) |
~します | “The phone is ringing!” – “I’ll get it.”(「電話が鳴ってるよー」「私が電話をとるよ」) | |
[否定文で]どうしても~しない | He won’t listen to my advice.(彼はどうしても私のアドバイスを聞こうとしない) | |
[疑問文で]~してくれますか? | Will you play tennis with me?(私とテニスをしてくれますか?) | |
[法則]~するものだ | Teenagers will not do as they are told.(10代の若者は言われた通りにはやらないものだ) |
※記事内では表に掲載のない意味・用法も解説しています。
未来形として習う will ですが、未来以外に「推量」や「意志」などたくさんの用法があります。この記事では will のコアイメージを元に、will の幅広い意味・用法(「意志」「推量」「未来」「法則」「依頼」)について解説しました。
willのコアイメージ
willのコアイメージは「確信度の高い思い」です。
willは未来形として習った人が多いと思いますが、実際にwillが表しているのは「思い」です。
「こうだろう」という思いは未来を表しやすいので、willは未来のことを表現するときに使われやすいというだけなのです。
willの主な用法は「意志」「見通し」「依頼」です。
コアイメージで述べた「確信度の高さ」は、意志だと「こうしよう」という気持ちの強さに現れ、見通しだと「きっとこうだろう」という見通しの鮮明さに現れていることに注意してください。
willの用法
意志
例文:Taro “The phone is ringing.” Mamoru “I‘ll get it.”(太郎「電話が鳴ってるよー」、守「俺が電話をとるよ」)
I’ll(=I will) get it.は「私が電話をとるよ」という意味で、話し手の意志を表しています。
willの思い描く力によって、その場でパッと思いついたというイメージになります。
例文:I WILL go, no matter what you say.(あなたが何と言おうと、私は行く!)
I WILL goは「私は必ず行く!」という意味で、話し手の意志を表しています。
このようにwillを短縮せずに強く読んだ場合は、気持ちの強さを表します。willの思い描く力によって、その場で思いを強くしたと考えるとわかりやすいですね。
拒否
例文:He won’t listen to my advice.(彼はどうしても私のアドバイスを聞こうとしない)
He won’t(=will not) listenは「彼はどうしても聞こうとしない」という意味で、拒否を表しています。
この例文におけるポイントは「話し手である私の思い描いた中での話」というものです。
つまり、私にとってはそのようにしか思い描けないということであり、例文でいえば「彼」の意志を正しく表現しているとは限らないわけです。
たとえば、事実としては彼にはアドバイスを聞く意志があるのですが、この話し手が思う通りには彼が動かないので、”He won’t listen to my advice.” と言っている可能性もあるわけです。
例文:This window won’t open.(この窓はどうしても開かない)
This window won’t openは「この窓はどうしても開かない」という意味で、拒否を表しています。
この例文も、話し手である私にとっては「開かない」ようにしか思い描けないことを述べています。
推量
例文:He will be in New York by now.(彼は今ごろニューヨークについているだろう)
He will be in New York by nowは「彼は今ごろニューヨークにいるだろう」という意味で、話し手の推量を表しています。
日本語の「こうだろう」は弱いものから強いものまで幅広い確信度合いをカバーしていますが、英語のwillは基本的に鮮明に見通しているときに使われます。
未来
例文:It will be fine tomorrow.(明日は晴れるだろう)
It will be fine tomorrowは「明日は晴れるだろう」という意味で、未来を表す表現です。
ただ、これもwillだからそのまま未来を表しているというわけではありません。
ここでもwillは話し手の見通しを思い描いているだけです。
そのwillと一緒にtomorrow(未来時を表す単語)が使われることで初めて、確かに未来を表していると言えるわけです。
(参考)未来を表す表現まとめ
法則
例文:Teenagers will not do as they are told.(10代の若者は言われた通りにはやらないものだ)
Teenagers will not do as they are toldは「10代の若者は言われた通りにはやらないものだ」という意味で、法則を表しています。
willは話し手の見通しを思い描くわけですが、その見通しが鮮明であればあるほど、法則や習慣という用法に結びついていきます。
ただし、事実というよりも話し手がそう見なしているというニュアンスが強い表現であることには注意する必要があります。
意志・見通しを尋ねる Will you …?
例文:Will you play tennis?(あなたはテニスをしますか?)
will が疑問文で使われたときは、話し手ではなく聞き手の意志・見通しを尋ねることになります。意味としては「~しますか?」「~でしょうか?」となります。
Will you play tennis? のシチュエーション例
A | I’m going to stay at a hotel with tennis courts in Hawaii next month.(来月、ハワイのテニスコート付きのホテルに泊まる予定なんだ) |
B | Will you play tennis?(テニスをするのかな?) |
依頼を表す Will you …?
例文:Will you play tennis with me?(私とテニスをしてくれますか?)
Will you play tennis with me? は聞き手に「私とテニスをする」意志があるかどうかを尋ねています。
このように聞き手に尋ねる内容が、話し手にとってプラスとなる内容であれば、「依頼(~してくれますか?)」の意味になります。
なお、いつテニスをするのかは明らかではありませんが、普通はこの会話のすぐ後にテニスをすることを依頼しているイメージになります。
日時を指定したい場合は “Will you play tennis with me tomorrow?” のように指定します。
依頼用法の補足
例文:Will you go to the supermarket for me?(おつかいに行ってくれますか?)
聞き手に「私のためにおつかいに行く」意志があるかどうかを尋ねています。当然、これも聞き手への「依頼(~してくれますか?)」になります。
なお、will のコアイメージで述べた「確信度の高さ」は、聞き手への依頼内容を鮮明に描いていることにつながります。
つまり、ストレートな表現であり、依頼というよりは命令に近いと感じる人もいるかもしれません。
家族や仲の良い友人のような親しい間柄なら大丈夫ですが、そうでなければ “Would you please …?” のように過去形wouldにして距離を取って、さらに please(もし、あなたがよければ)を入れた丁寧な表現を使うことをおすすめします。
(参考)依頼表現まとめ
willの用法まとめ
willのコアイメージは「確信度の高い思い」です。
willの主な用法は「意志」「見通し」「依頼」です。
willの用法 | 意味 | 備考 |
---|---|---|
意志 | こうしよう! | その場で思い描く |
拒否 | どうしてもこうなる | 話し手の思い描いた中での話 |
推量 | きっとこうだろう | 鮮明な見通し |
未来 | きっとこうだろう | 未来時を表す単語と共に |
法則 | そういうものだよね | 話し手がそう見なしている |
意志・見通しを尋ねる (Will you …?) | ~しますか? ~でしょうか? |
聞き手の意志や見通し |
依頼 (Will you …?) | ~してくれますか? | 聞き手の意志を尋ねる/ストレートな表現 |
【will関連記事】
- will と be going to の違い
- 未来を表す”will”、”be going to”、現在進行形”be -ing”、未来進行形”will be -ing”の違い
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コメント
willの核となるイメージとは、確信度の高い意思というのはイメージとして理解しやすかったです。
自分以外を対象としてwillを使う際には、彼(彼女)はそうするだろうという、自分の立場から見た彼らの意思を意味するのであって、彼らが実際にそうするかどうかはわからない、ということを初めて理解でき、核となるイメージを掴むことは大切だと再認識しました。
willの主な用法は「意志」「見通し」「依頼」であるということを覚えておくことで、willについて多く理解できると感じました。また、コアイメージもともに覚えておくことでとても覚えやすいと感じました。
willの本質は未来でないの?と最初びっくりしました。興味を持って読み進めてみると、willの深さが分かり、とても勉強になりました。知らない事を一つ覚えさせてもらうことができ、この記事を読んで、英語っておもしろいんだなという気持ちが大きくなりました。とても参考になる良い記事です。
willの使い方が具体的に解説されていてとてもいいと思います。willを否定文にまで使いこなすのは難しいので例文のおかげでイメージしやすかったです。また、してくれませんか?の表現は日本人では持ちにくいので(Could youになりやすい)この記事がとても参考になると思います。
willには「意思」という意味があったのは知っていましたが、まさにコアイメージをそう捉えれば良かったというのは目からウロコの思いです。未来形と言うより話し手の思いや確信というのがその本質的な姿だったんですね。
受験の時に”will”の用法を勉強したような気がしますが、その時にはなかった「法則」が増えたように思います。勘違いかもしれませんが。また、用法を見直してみると簡単なようで、実は使用しきれていないとも思いました。もう一度確認ができて良かったです。大変わかりやすい内容でした。
記事の重要な部分、説明文に黄色で引かれていたのでとても解り易く読めました。
私は学生の頃英語は赤点ばかりだった事を思い出してしまいましたが
趣味のアコギの弾き語りで洋楽を歌うようになってから英語に興味を持つようになったのでとても参考になりました。
そしてWILLだけでも様々な表現がある事に驚きました。
英語は日本語と違い一つ一つの単語にそれ程深い意味があるとは思っていなかったからです。
なので有難うございました。I hope you”ll(”ll・Will) like it.
現在海外に住んでいますが、Willは記事の通り未来形だけの目的ではなく、色んなシチュエーションで日常的に使われています。記事を読んで改めて用法の種類が分かり勉強になりました。イラストも分かりやすく、キャッチーな絵で好感を持ちました。ただ、最初の「コアイメージ」という単語はピンときませんでした。
長らく職業上で英語を使ってきましたが、これほど分かり易くかつ「目からうろこ」の思いのする will の用法の解説を読んだことがありません。will と be going to の用法の違いについては習得していましたが、話し手の意思、見通し、依頼。「話し手の」というところと、相手の「行為」を尋ねる「Will you?」は初認識でした。とても勉強になりました。
Willと言うのは最初のほうに未来を表すものではないと書いてありましたが私はそう思っていたのでびっくりしました。使い方も意志や見通しを表すということで例文と絵による解説でよくわかりました。これからは正しく使いたいと思います。
Willは非常によく使われていますが、ざっくりとしたイメージでしか捉えられていなかったので、今回の記事を拝見して「自分がいかにわかっていなかったか」がよくわかりました。
特にインパクトが強かったのは「Will you play tennis?」が、【話し手自身の見通しをもとに、相手の行為を尋ねる】ものであって【相手の意図を尋ねるものではない】ということ、です。
“Will you 〜?”は、尋ねる相手(聞き手にあたる人)がどのようなつもり(意志)でいるかを訊くものだと思いこんでいたので、とても参考になりました。
単語について、コアイメージをイラストと共に示されたうえで、具体的な用法や例文やが挙げられているので、とてもわかりやすかったです。
ただ、ひとつだけもったいないな、と思ったのが「分量」です。
どうしてもスクロールする分量が多くなると、後半に行くに従って、集中力が落ちていくといいますか…。
とても重要で実践的な説明が展開されているにもかかわらず、つい目がすべって、内容が頭に入って来にくくなったのが正直なところです。
もし可能であれば、今回拝見したページを、2〜3ページに分割していただけたら、もっと取り組みやすく、かつ頭に入りやすくなるのではないかな…と感じました。
しかしながら、willの用法イメージや例文がとても明瞭に示されていて、かつ、基礎的な部分がしっかりとおさえられるところ、実践でもすぐに応用できるよう工夫されているところが、とても素晴らしいと思います。
「willの本質は未来ではありません!」、という興味を惹かれる一文が一行目にあるのが良かったです。そのページを読もうという気持ちになります。また、willの用法のコアイメージが「確信度の高い思い」というのも分かりやすかったです。意味をまず説明するのではなく、どんなイメージが込められているのかを説明していたのが良かったです。絵や図も分かりやすくて良かったです。
willは学校で未来形と習っていたので固定観念が生まれていましたが、こうしようという意志やこうしてほしいという依頼、更にはどうしてもこうならないという拒否まで色んな形に変化していることを改めて認識しました。確かに意志も依頼も未来のことではありますか、どうしても日本語に訳す時や自分で使う時には~だろうという未来の意味しか捉えていなかったので参考になりました。
コアイメージがどのように通底しているかが、様々な用法において解説されていてわかりやすかったです。
拒否の項目で、相手の意志が自分の思い描いた中での話かどうかについて「主観・客観」がキーワードかもしれないと思いました。
私も含めほとんど日本人が「will=未来形」として覚えていると思うので、それを冒頭で否定しているのはとても興味がかきたてられて思わず続きが読みたくなるので、とても良い構成だと思いました。夢中になって読みました。
また文章自体とてもわかりやすかったのですが、文章と一緒に絵が一緒にあるおかげでイメージがとてもしやすくなり、理論を理解するのにとても助かりました。学生時代の英語の授業もこんな感じで習いたかったかなーと思います。