助動詞 should の代表的な意味
英語 | 主な意味 | 例文・フレーズ |
---|---|---|
should | ~するべきだ | We should be quiet in class.(授業中は静かにしているべきだ) |
~のはずだ | He should be in Kyoto by now.(彼はいまごろ京都にいるはずだ) | |
いったいどうして~なのか | Why should I apologize to him?(どうして私が彼に謝らないといけないの?) | |
[判断の根拠]~するのも…だ | It is natural that she should get angry.(彼女が怒るのも当然だ) |
※記事内では表に掲載のない意味・用法も解説しています。
「~するべきだ」の意味で有名な should ですが、他にも用法があります。この記事では should のコアイメージを元に、should の持つ意味・用法(「義務」「提案」「確信」「意外」「判断の根拠」)について解説します。
shouldのコアイメージ
shouldのコアイメージは話し手の中での「自然に導かれる先にあるもの」です。
shouldは「これまでの経験から、普通はこうだよね」という話し手の中での常識を表すときによく使われます。
shouldの主な用法は「義務・当然の行為」「確信」「意外・驚き」です。
「~するべきだ」は「普通はこうするよね」という感じのもので、強制的なニュアンスは薄いことに注意してください。
「~のはずだ」も「普通はこうなるよね」という感じのものです。
「いったいどうして~なのか」はWhyとshouldを組み合わせた時に発生する用法です。
「どうしてそれが自然に導かれることなのか?」というイメージで捉えるとよいでしょう。
shouldの用法
義務・当然の行為
例文:We should be quiet in class.(授業中は静かにしているべきだ)
「これまでの経験から、普通、授業中は静かにしているよね」という話し手の考えを表しています。
これまでの経験としては「騒いでいて先生に怒られたこと」などが考えられます。
ただし、話し手自身も何か明確な過去の出来事を思い浮かべながら話しているわけではありません。
このあたりは日本語の「常識」に近い感覚ですね。
提案
例文:I suggest that you should stay at the hotel.(そのホテルに宿泊することをおすすめするよ)
「これまでの経験から自然に導かれることとして、あなたがそのホテルに泊まることを提案する」という意味です。
これまでの経験としては「話し手自身が実際に泊まって、そのホテルに満足したこと」などが考えられます。
この例文だけでは詳しくはわかりませんが、少なくとも話し手の中には提案するに足る何らかの理由があることを伝えているわけです。
確信
例文:He should be in Kyoto by now.(彼はいまごろ京都にいるはずだ)
「これまでの経験から、普通なら彼はいまごろ京都にいるよね」という話し手の考えを表しています。
たとえば「彼が○時×分発の新幹線に乗ったこと」や「そこからだいたい△時間で京都に到着すること」を知った上でのセリフという感じになります。
意外・驚き
例文:Why should I apologize to him?(どうして私が彼に謝らないといけないの?)
「これまでの経緯から、どうして私が彼に謝るなんてことになるのか?」という意味です。
たとえば「私は悪いことなどしていない、彼のほうが悪いはずなのに…」のような気持ちが込められているわけです。
whyは「これまでの経緯→私が彼に謝る」という流れ(→)そのものに疑問を投げかけています。
これまでの経緯を踏まえた上での行為(判断の根拠)
例文:It is strange that he should say so.(彼がそう言うなんておかしいな)
「これまでの彼の言動から考えると、彼がそう言うなんておかしいな」という意味です。
strangeは「彼のこれまでの言動→彼がそう言う」という流れ(→)そのものに対する話し手の判断を表しています。
このshouldには「~するべき、~のはず」というニュアンスはないことに注意してください。
例文:Did you cancel on her at the last minute? It is natural that she should get angry.(彼女との約束をドタキャンしたの?そりゃあ、彼女が怒るのも当然だ)
「彼女との約束をドタキャンしたことから考えると、彼女が怒るのも当然だ」という意味です。
このように文脈に「これまでの経緯」(この場合は、ドタキャンしたこと)が示されていることもよくあります。
naturalは「ドタキャン→彼女が怒る」という流れ(→)そのものに対する話し手の判断を表しているわけです。
比較:It is natural that babies cry.(赤ちゃんが泣くのは当然だ)
「赤ちゃんが泣くのは当然だ」という意味です。
shouldがなければ、「これまでの経緯」が出てくることはありません。単純に赤ちゃんが泣くのは当然という事実を述べているだけです。
【参考】自然な流れを表す「~も」
さきほど「彼女が怒るのも当然だ」という日本語訳に「~も」が出てきました。これについて少し補足をします。
日本語の「~も」は通常「並立・付加」という働きをします。
例文:僕の血液型はA型です。父もA型です。
この場合、「~も」は「僕と父を並立させる」働きをしているわけです。
例文:彼女が怒るのも当然だ。
この場合、「~も」は「ドタキャン」と「彼女が怒ること」を並立させています。
そして、このように並立させることで自然と流れをつくっているわけです。
話を戻すと、この自然な流れを英語で表しているのがshouldだったわけです。
shouldは「当然」などのニュアンスで捉えがちですが、「流れ」を表していることも少し意識して頂ければと思います。
shouldの用法まとめ
shouldのコアイメージは話し手の中での「自然に導かれる先にあるもの」です。
shouldの主な用法は「義務・当然の行為」「確信」「意外・驚き」です。
shouldの用法 | 意味 | 備考 |
---|---|---|
義務・当然の行為 | ~するべきだ | 普通はこうするよね |
提案 | ~するべきだ | これまでの経験から自然に導かれることとして提案する |
確信 | ~のはずだ | 普通はこうなるよね |
意外・驚き | いったいどうして~なのか | どうしてそれが自然に導かれる先にあるものなのか? |
これまでの経緯を踏まえた上での行為(判断の根拠) | (肯定的文脈)~するのも…だ (否定的文脈)~するなんて…だ |
経緯→行為という流れに対する話し手の判断を表している |
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コメント
shouldの持つコアなイメージが「自然に導かれる先にあるもの」であり、そこから義務や確信、意外などといった意味に派生している、という説明がとてもわかりやすかったです。意外や驚きなどの意味で使ったことはあまりなかったので、使用方法の幅が広がったように感じます。
すべきとだけ覚えていたのですが、「自然に導かれる先にあるもの」、「これまでの経験から」という部分をイメージすることによって、よりどのように使うのか解りやすくなり、理解が深くなったと感じました。
shouldを「~したほうがいい・~のはずだ」という意味で習ってから、他の使い方については知らなかったので、こんなにも使いこなせるんだと知って勉強になりました。shouldが使われた日常会話が例文の中にもっとあったらよかったなと思いました。
shouldは学生時代に英語を学んだ中でも日本語と違いすぎてイメージが掴みにくいものの一つでしたが、「今までの経験から自然とこう導かれる」というコアイメージでその全てがようやく理解できたのは目から鱗の気分です。
Should の用法は、英語で話すために避けては通れないところなので、一つにまとめていただけて嬉しいです。これまでの経験や経緯から、自然に導かれるというコアイメージも、わかりやすくて良かったです。
shouldは話し手が根底においてこれまでの自分の経験を踏まえて話しているのだ、という解説はとてもすっきり理解できるものでした。なお、受験英語では提案のshouldについて確か省略される場合があると教えられた記憶があるのですが、どうなのでしょうか。
Shouldという単語は学校でもよく出てきて頻繁に使っていましたが、結構深い意味があるんだなと思いました。今までの経緯からこうなるということを表現する場面で使うということが、このコラムの図解の説明でよくわかりました。これからはうまく使いこなしていこうと思います。
「義務・当然の行為」「確信」のshouldとWhyとの組み合わせの「意外・驚き」のshouldはおなじみなので、説明も容易に理解できた。例文もわかりやすく、イメージ画も非常に良い例だった。これまでの経緯を踏まえた上での行為(判断の根拠)の項目も、一瞬難しく感じるが、説明を読むとすんなりと理解できた。「これまでの経緯」が出てこない「赤ちゃんが泣くのは当然だ」という事実を述べるだけの文と比較したのは非常に分かりやすかった。
まずshould のイメージを若干間違って覚えていることに気づかされました。強制的なニュアンスがある単語としてshould を捉えていましたが、そうではなかったのですね。
これまで”should”は強制力が強く感じていましたが、実際には「~するべきだ」は「普通はこうするよね」や「~のはずだ」も「普通はこうなるよね」などの意味合いだということを知り、大変勉強になりました。コアイメージの大切さを再認識しました。
親しい相手以外にshouldを使うのは、強い表現になりすぎるのではと思っていましたが、今回色々な用法を知ることができ勉強になりました。特にIt is ~he should~ の文で話し手(書き手)の意思を込められるという判断の根拠の用法が為になりました。
It is ~he shouldの文で話し手の意志をheにつけられるのがよくわかりません
それならIt should beになるんじゃないですか
今までshould は「〜すべき」(注:軽い提案)のように頭の中で理解するだけだったので、全く実践で使えないし、相手の真意も汲みとれませんでした。
単語のコアを調べようと思って、じっくり勉強させていただきました。そして大きな気づきをいただきました。
今後は「これまでの経験から!」を心の中で意識してみることにしました。これでやっと私の中で全ての用法が繋がった気がしています。
いつも本当にありがとうございます!!
コメントありがとうございます! should を「すべき」と考えてしまうと、なかなか使いこなせないですよね。
話し手の中での常識なので、「自分は~だと思うけどなぁ」のような軽い感じで使ってみてくださいね。
※こちらこそいつもコメントをいただいてありがとうございます!励みになっています。