being は be動詞の ing形ですが、どう訳したらよいのかわからないことがありますよね。この記事では、being のコアイメージを元に、being の4つの意味(「~であること」「存在(名詞)」「一時的に~である」「~されているところ(進行形の受動態)」)について解説します。
being のイメージ
最初に結論から述べると、being がつかみにくい理由は、being に「現在分詞の being」と「動名詞の being」があるためです。
現在分詞の being の場合、「一時的に~である」「~されているところ(be+being+過去分詞の形式で)」という意味として使われます。
動名詞 の being の場合、「~であること・存在すること」という意味になります。また、この動名詞から「存在」という名詞の用法も出てきます。
それぞれの意味ごとに、例文で詳しく確認していきましょう。
動名詞の being の意味
「~であること・存在すること」を表す
例文:Being rich isn’t about money. Being rich is a state of mind.(豊かであることは、お金に関係ありません。豊かであるとは、ある心の状態を言うのです)
Being rich は「豊かであること」という意味。豊かな状態であるところを写真で切り取ったようなイメージです。
例文:I like being together with him.(私は彼と一緒にいるのが好きです)
being together with him は「彼と一緒にいること」という意味。私が彼と一緒にいる(存在している)ところを写真で切り取ったようなイメージです。
動名詞のコアイメージは「まさにその動き」ですが、be動詞は「動き」ではなく「状態」を表すので、動名詞の being は「まさにその状態」と読み替えると良いでしょう。
※動名詞についての詳細は「動名詞の意味・用法まとめ」をご参照下さい。
「存在」を表す(名詞)
フレーズ:human being(人間)
human being は「人間」という意味ですが、動名詞の being に由来しているため「実際に存在している」というニュアンスも含まれます。
要するに、「ある人間」と言われて思い浮かぶようなもので、「ヒト」のイメージを体現している「具体的な存在」について述べたいときに使われる傾向があります。
比較:human(人間)
human だけでも「人間」という意味を表しますが、こちらは「他の動物」や「SFに出てくるエイリアン」などから区別したいときに使われる傾向があります。
ただ、human being と human は「具体的な存在」イメージを伴うかどうかの違いなので、実際にはほとんどの場合において入れ替え可能です。そのため、細かく気にしなくても大丈夫でしょう。
現在分詞の being の意味
「一時的に~である(一時的な状態)」を表す
例文:He is being nice.(彼は良い人ぶっている)
is being nice は「一時的に良い」という意味で、「(いつもと違って、いま一時的に)良い人ぶっている」となります。
比較:He is nice.(彼は良い人です)
is nice だと「(いつも)良い」という意味で、「良い人です」となります。
is being nice に「一時的に」というニュアンスが含まれる原因は、現在分詞のイメージにあります。
現在分詞のコアイメージは「進行、ライブ感」ですが、「スタート」と「ゴール」という「時間的な区切り」を含んでいることに注意が必要です。
つまり、「スタートである状態になり・現時点ではある状態のままで・ゴールではある状態でなくなる(見込み)」ーーこのような時間的な区切りを含んでいるため、「一時的にある状態である」という意味が生まれているわけだったのです。
※現在分詞についての詳細は「現在分詞の意味・用法まとめ」を、また「時間的な区切り」を含んだ用法の詳細は「現在進行形の意味・用法まとめ」をご参照下さい。
「~されているところ(進行形の受動態)」を表す
例文:The city hall is being rebuilt.(その市役所は建て直されているところです)
is being rebuilt は「建て直されているところ」という意味です。being を挟み込むことで「進行」や「未完了」のニュアンスを追加しています。
※受動態についての詳細は「受動態の文型ごとの例文解説と受動態の作り方」をご参照下さい。
まとめ:being の意味
分類 | 意味 | 例文 | 訳 |
---|---|---|---|
動名詞 の being | ~であること・存在すること | Being rich is a state of mind. | 豊かであること |
名詞 の being | 存在 | human being | 人間(実際に存在している) |
現在分詞の being | 一時的に~である | He is being nice. | (一時的に)良い人ぶっている |
~されているところ | The city hall is being rebuilt. | 建て直されているところ |
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コメント
動名詞の基本となる部分を抑えつつ、応用にも適用できるレベルの例題を挙げておられるところがいいなと思います。
分かりやすかったです。図を用いて解説してくれているので助かります。また一つ英語力をアップさせることができました。
今回の記事のタイトルを見たとき、興味深い内容だと思いました。たしかに”being”は基礎中の基礎だとは思いますが、その分、訳し方であったり使い方であったり悩む要素がたくさんあるとおもいます。記事を読み終え、なるほどと思う点がたくさんあり大変参考になりました。
存在を表すbeingの例として、human beingとhumanのニュアンスの違いを説明していたが、意識せずに使っていたhuman being とhumanにも、細かな違いがあったことに驚いた。
He is nice.にbeingがついたことで、意味合いがとても違ってくることに驚きました。
英語を理解するためには、なにげない単語でもおろそかに扱ってはいけないことを再確認しました。
beingの意味を感覚的に使っていて、きちんと用法をわかっていなかったので大変為になりました。He is nice.と同じ感覚でHe is being nice.を使うととんでもない事になりそうなので今後気を付けたいです。
学生時代に結構悩まされたbe動詞、さらにそのingの厄介さを改めて思い知りました。日本語の考え方としてほとんど存在しませんからね。