英文で be to do が出てくると「なんだこれ?変わった形だけど、どう訳したらいいんだ?」ってなりますよね。この記事では、be to do の構造を説明し、その用法について例文を挙げながら解説します。
be to do の構造
例文:The next meeting is to take place in Tokyo.(次の会合は東京で行われることになっています)
be動詞 is のあとにいきなり to がくるとびっくりしてしまいますよね。この文の構造を捉えるために「動きを表す単語(→または=)」と「モノを表す単語(◯)」に分けて、モデル化してみましょう。
The next meeting | is | to take place | in | Tokyo. |
◯ | = | ◯ | → | ◯ |
英文の The next meeting is to take place までのところを単純化すると「◯=◯」となります。イコールで結ばれた先の◯に to take place が入っている形になっています。
to take place は「(向かう先にあるのは)行われること」という意味なので、「次の会議=行われることになる」→「次の会議は行われることになっている」という意味になります。
また最初に述べたように「◯=◯」という形なので、この文は「事実」を述べているようなニュアンスになります。「次の会議は~である」と言い切っていると捉えてもよいでしょう。
be to do のイメージと意味の派生
A be to do のイメージは「A は~することになっている」です。
この表現は「事実」のニュアンスを含んでおり、「それは動かしようのないことだ」とか「そういうものなんだ」という感じで使われます。話し手の意志とは関係がないので、客観的な表現とも言えます。
このようなイメージから、be to do は次の4つの用法で使われます。
用法 | 意味 |
---|---|
予定 | ~することになっている |
運命 | (過去形で)~する運命だった |
義務 | ~すべき |
命令 | ~しなさい |
※be to do には「可能(~できる)」「意図(~したい)」を表す用法もありますが、これらは他の用法ほど一般的ではなく、普段遣いの英語では触れることもないと思いますので割愛しました。
be to do の用法と例文
予定(~することになっている)
例文:The next meeting is to take place in Tokyo.(次の会合は東京で行われることになっています)
is to take place は「行われることになっている」という意味です。
このように be to do の「予定」を表す用法は、話し手が決めたわけではなく「そういうことになっている未来の出来事」に対して使われるのが一般的です。
(会議は明朝9時ちょうどに始まる予定です)
She is to give a presentation on the new project next week.
(彼女は来週、新プロジェクトについてのプレゼンテーションをする予定です)
The new policy is to be implemented from the beginning of next month.
(新しい方針は来月の初めから実施される予定です)
運命((過去形で)~する運命だった)
例文:He was to become a famous musician.(彼は有名な音楽家になる運命だった)
was to become は「~になる運命だった」という意味です。
このように be to do の「運命」を表す用法は、現在から見たときに運命的に感じられるような過去の出来事に対して使われるのが一般的です。
(彼女はそのパーティーで未来の夫に出会う運命だった)
The old building was to be demolished the following year.
(その古い建物は翌年取り壊される運命だった)
Their paths were to cross again many years later under different circumstances.
(彼らの道は何年も後に、異なる状況で再び交差する運命にあった)
義務(~すべき)
例文:You are to do your homework before going to play.(あなたは遊びに行く前に宿題をしなければいけない)
are to do は「(当然)することになっている」という意味です。話し手の意志として「するべき」と言っているわけではなく、客観的に当然の流れであることを述べています。
もちろん表現上はそうだというだけで、セリフの背後に話し手の意志が隠れていることは英語でもよくあります。表現をどう使うかは話し手次第ですので、ご注意ください。
(すべての学生は月曜日までに課題を提出しなければなりません)
Employees are to wear their ID badges at all times.
(従業員は常にIDバッジを着用する義務があります)
Visitors are to sign in at the front desk upon arrival.
(訪問者は到着時にフロントでサインインしなければなりません)
命令(~しなさい)
例文:You are to return that umbrella to me.(あなたはあの傘を私に返しなさい)
are to return で「(当然)返すことになっている」という意味です。これもまた話し手の意志というよりも、客観的に当然そういうことになっていると述べている感じになります。
ただ、言葉の表面上は話し手の意志を表していなくても、聞き手からすれば「返しなさい」という命令的なニュアンスが感じられる表現ということになります。
(出かける前に宿題を終わらせなさい)
You are to follow these instructions carefully.
(これらの指示に注意深く従いなさい)
You are to report to the manager at 9 AM sharp.
(午前9時ちょうどにマネージャーに報告しなさい)
予定を表す be to do と will, be goign to との違い
be to do
be to do のイメージは「~することになっている」で、公式なスケジュールや決定されている予定に対して使われます。
・The president is to visit Japan next month.(大統領は来月、日本を訪問する予定です)
・The meeting is to start at 9 AM.(会議は午前9時に始まる予定です)
will
will のコアイメージは「確信度の高い思い」で、主な意味は「~だろう、~しよう」です。話し手の思いや予測に基づいた未来のことを表すことができます。
・We will leave at 6 PM.(午後6時に出発します)
・It will rain tomorrow.(明日は雨が降るでしょう)
be going to
be going to のコアイメージは「すでに着手していて~することへ向けて進行しているところ」で、主な意味は「~するつもりだ、~しそうだ」です。事前に計画されて進んでいる予定やすでに兆候がある未来のことを表します。
・I am going to visit my grandparents this weekend.(今週末に祖父母を訪ねるつもりです)
・Look at those clouds! It’s going to rain.(あの雲を見て!雨が降りそうです)
まとめ
表現 | 意味 | ポイント |
---|---|---|
be to do | ~することになっている | 公式な予定 |
will | ~だろう、~しよう | 話し手の思いや予測に基づいた未来のこと |
be going to | ~するつもりだ、~しそうだ | 事前に計画されて進んでいる予定やすでに兆候がある未来のこと |
まとめ
A be to do のイメージは「A は~することになっている」です。
be to do は次の4つの用法で使われます。
用法 | 意味 | 例文 |
---|---|---|
予定 | ~することになっている | The next meeting is to take place in Tokyo. |
運命 | (過去形で)~する運命だった | He was to become a famous musician. |
義務 | ~すべき | You are to do your homework before going to play. |
命令 | ~しなさい | You are to return that umbrella to me. |
アイキャッチ画像の補足
例文:The President is to visit Japan next month.(大統領は来月、日本を訪問する予定です)
記事冒頭のアイキャッチ画像の大統領補佐官のセリフとして “The President is scheduled to visit Japan next month.” のように scheduled を加えることもあります。この場合は、より一層具体的な計画が既に確定している印象を与えるようになります。
逆に言えば、”The President is to visit Japan next month.” のように be to do を用いた場合は、決定された公式の予定であることは伝えていますが、scheduled を加えたときほど具体的な計画があることを強調していません。どちらの表現も使用可能ですが、微妙にニュアンスが違うこともあわせて知っておいてください。
コメント
be to do という表現は日本語にしづらいなと常日ごろから思っていましたが、記事では1つ1つの用法がわかりやすく説明されていたので理解を深めることが出来ました。「話し手の意思とは無関係である」というのを念頭に、義務や命令等もうまく使い分けしたいと思います。
~することになっている、という表現は使い方として分かりやすいのですが、話し手の意志とは無関係で他人事、あるいは客観性のある表現でわるというのは初めて知りました。be to doの用法の頭文字を取って「業界(ぎようかい)」と覚える習い方も初耳で面白かったです。
私はbe to do の用法について意識して英文を読み書きしていなかったので、イラストが分かりやすくてとても勉強になりました。ニュアンスの表現方法なので難しいなと感じますが、be to do を知っていることによって文法を間違えにくくなるなと思いました。
確かに”be to do”の用法を「予定・運命」「義務・命令」「意図」で覚えたような気がします。ただ、そこまで気にして使用したことはありませんでした。この記事の例文と絵、その説明を読んだ結果、大変理解できました。
「~することになっている」と英語で聞いたとしても、なかなかそのようなイメージで受け取ることはできないだろうと感じました。英語で考える事が出来るようにならないと、それは難しいのでしょうね。まるで野党の女性議員の言い回しのようです。
be to doの説明として、話し手の意思とは関係なしに~することになっている、という意味がコアなイメージであるという説明が理解しやすかったです。用法からも客観的な表現である印象はイメージできました。
英語を母語として日常生活で使わない私のようなものにとっては、be to do のコアイメージには話し手の意志とは無関係であるニュアンスが含まれているため、聞き手には客観的かつ当事者意識が感じられないと受け取られることがあると説明がなされても、解説としてはそのとおりであっても、なかなかピンとこなところがあります。それは、この解説記事の問題というより、いつも話す言葉と違う言語を理解することの難しさに由来するものだと思います。
be to doのポイントは話し手の意志とは無関係というニュアンスが含まれている…という説明がわかりやすかったです。「~するっことになっている」という他人事のようなコアイメージはすんなりと消化できました。
be to doは不定詞の中でも特に用法が難しく、受験問題などにもよく出題されるものだと思います。参考書にも解説は載っていますが、こちらの記事では参考書などにはないインパクトと分かりやすさがあります。分かりやすい例題で解説されているので素晴らしいと思いました。
be to do は「〜することになっている」という意味では覚えていて、未来の予定のようなニュアンスでしたが、義務や命令、意図というニュアンスまでは把握していなかったので、改めて理解できてよかった。
be to doという使い方は普段なんとなく使っていましたが、あまり意味は理解していませんでした。このコラムを読むといろいろな使い方が書いてあって、頭の中が整理された気がします。コアイメージをよく理解することが大事かなと思いました。
‘be to do’ のコアイメージのヒントを探しに、
こちらに辿り着きました。
分かりやすかったんですが、
「本人の意志とは関係ない意志」は、
ちょっと論理矛盾していそうな感が否めないので、
「あたかも運命や義務のような意志の方向」みたいな感じなのかな…?」と、自分なりに解釈しました。
「業界」人はわかりました。ですが、nativeの方々は、このような表現を日常生活の中でどんな場面で使っているのでしょうか?例えば「意図」の場合、それに似た表現は別にできると思うのですが、あえてこの表現でなされる根本的な理由が今ひとつわかりません。ということは、まだよく理解できてないことなのかもしれません。この辺を更に教えていただければと思います。
非常にわかりやすい説明ありがとうございます。やっとBe To Doが理解できました。
be to 不定詞が客観的なイメージだとすると、be sure toやbe ceartain to と、ofのときで意味が違うことと、なにか関連がありそうな気がしますが、どうでしょうか?
be to do たまに出てきますがイマイチ意味が掴みづらいかったので助かりました。例文もわかりやすかった。
be to do の用法の説明、とても参考になりました。
なんとなく、そのようだと思い始めては居たのですが、
実際に他の方がそのように説明されているのを読み、
そのように考える人が他にも居たことを嬉しく思っています。
予定・運命を表す ← will , be going to
義務・命令を表す ← must , have to , should
可能を表す ← can , be able to
意図を表す ← ought to
定形動詞に対しての非定形動詞である『過去分詞・現在分詞・to不定詞/原形不定詞・動名詞』は
それぞれ、定形動詞の be vpp , be ving , (to) vr , ~ing に対応していて
実際のところこれらの非定形動詞にもそれぞれ意味上の主語・目的語・補語・修飾語がある、
つまり5文型をそのまま適用しての英文解釈が出来るようだという気づきがありまして、
それを確認する(実際はこれを否定する証拠を見つける)ためという目的も含めて
先日より twitter で形態素付きの英文、和訳付き&発音記号付きの公開をしています。
https://twitter.com/agoandnew/status/1542610801823207424
https://twitter.com/agoandnew/
↑和訳の方は、日本語としてちょっとおかしいと思える部分もあるのですが、
これを始める際に、英文→和訳のルールとして以下のように決めているという部分もあったりします。
①修飾句を末尾から述語動詞側の順に、拾い上げる。
(英語の修飾句は末尾に行くほど一般化し、述語に近いほど重要な意味を含むとのこと)
②被修飾語の前の形容詞副詞等をこちらは前にあるものから順に並べていく
副詞/句は語尾に『く・て・に』を、形容詞/句は語尾に『い・な・の』を付ける(なるべく)
③被修飾語(目的語)をその後に置き、目的語を示す『を・に』をつける
④最後に主語や補語を『が・は』をつけて和訳の先頭に置く
よかったらご覧ください。しばらくは毎日少しずつ投稿を続ける予定です。
(自分自身の勉強も兼ねてますというか、私自身の英語の習得が一番の目的ですので)