「やり直し英語」をテーマに、編集部の遠藤と今井が対談するシリーズです。
好きなことのついでに英語に触れる
遠藤 今回は「やり直し英語」をテーマに話をしたいと思います。念頭に置いているのは「日常生活で英語を使うことはないけど、やっぱり英語できるようになりたい」と思っている方ですね。
今井 なるほど。それでしたら、僕はよく「どうすれば英語ができるようになるの?」って相談されるんですが、そういうときに決まって答えるのは「好きなことで英語を学ぶようにした方がいいよ」ってことなんです。
遠藤 何だかありきたりなアドバイスですね(笑) もう少し詳しく教えてくれますか?
今井 逆のことを考えると、わかりやすいかもしれないです。たとえば、教科書や参考書などからやり直そうとすると、結局続かないことが多いんですよね。忙しい社会人の方ほど、英語に触れるハードルを下げるようにしないといけないって思ってます。
僕の場合は、仕事とかの合間でも「やろう」って思えるものは、自分の興味があるものなんです。
最近で言えば、自然災害時にどうやってドローンを飛ばせばいいのかを調べていたんですが、日本語の情報がなかったので英語の情報を探しました。こんな感じで、僕の中ではわりと自然と英語に触れられていますね。
遠藤 なるほどね。でも、その人の好きなことで英語で書かれた情報がない場合は、どうしたらいいですか?
今井 それもよく聞かれるんですけど、「本当にないの?」って聞き直しています。その人が気づいていないだけじゃないかなと思うんです。
遠藤 まあ、確かに見える範囲内に存在していないから「ない」って思っているだけのパターンはあるかもしれないですね。
私の場合は、趣味がスマホゲームの「ポケモンGo」なんですけど、最新のイベント情報とかは英語の方が早くリリースされるんですよね。そういうこともあって、 ポケモンGo の情報収集をしているときに、英語に触れているような感じになっています。
それで「好きなことで英語を学ぶ」って話なんですけど、私はもう少し表現を変えて「好きなことについて情報収集するときに、英語にも触れるようにする」ようにすると、ちょうどいいじゃないかなと思っているんです。
今井 えーと、僕が言った「好きなことで英語を学ぶ」とどう違うんですか?
遠藤 私は「好きなことについて情報収集すること」をメインにしてもらいたいと思っているんです。逆に言えば、「英語を学ぶこと」をメインにしないでほしいということですね。
好きなことについて調べるときに英語に触れてみる、これくらいのレベル感でいいので、まずは英語に慣れてほしいなと思っています。
今井 あー、英語を学ばないといけないってなると、無理やり英語の情報を探そうとしてしまいますもんね。
遠藤 そうなんです。あくまでも「自分」を主役にして、英語をメインにしない。英語はあくまでも自分の人生を充実させるための1つのツールとして位置づけをはっきりさせておくと、英語学習も長続きすると思います。
英語の情報収集には Twitter がオススメ
遠藤 続いて「どうやって英語の情報収集をすればよいのか」についてですが、これについてはオススメがあるので先に言わせてください。
今井 いいですよ。どうぞ。
遠藤 英語の情報収集には Twitter がオススメなんです。と言っても、これだけだとよくわからないと思うので、私の場合の具体例をあげさせてもらいますね。
私の場合は、最近、子どもと一緒に Among Us というゲームをよくやっているんですが、この Among Us はアメリカのゲーム会社が制作しているもので、Twitter の公式アカウントの情報も英語なんです。
この公式アカウントの中の人が、Among Us のファンアートに対して返信したりしていて、私は公式アカウントをフォローしているので、そういうツイートが流れてくるんです。
今井 Among Us がどういうゲームなのかは知らないですが、公式アカウントの返信や他の人の返信ツイートなど、純粋に見ていて楽しそうですね。これは英語がわからなくても、雰囲気でどういうことがやり取りされているのかわかります。
遠藤 ゲーム内容がわかるとファンアートの意味もよくわかってきますよ。このような感じで、Twitter を使って英語に触れるようにしてもらえたらいいんじゃないかと思っています。
今井 Twitter はとてもいいツールですよね。僕はドローンを仕事にしているので、ドローンを作っている会社の公式 Twitter アカウントをフォローしてます。
遠藤 どんな情報が流れてきますか?
今井 最新のドローン機種の詳しいスペックのような堅い内容のときもありますが、他にもドローンで空撮した動画のような純粋に見ていて面白いものも流れてきますよ。ドローンってこういう絵も撮れるんだなぁ…みたいな感じで勉強にもなります。
遠藤 Twitter はテキストだけじゃなくて、画像や動画も一緒に見れるのがいいですよね。
今井 そうですね。英語のツイートも、正直英語であることをあまり意識しないで見ている感じはあります。画像を見れば何を言っているのかわかったりしますし。
遠藤 それは大きいですよね。個人的に「言語を意識せずに内容にフォーカスできるようになる」のは1つの理想だと思っています。Twitter だとそれが実現しやすいですよね。
今井 あと Twitter の場合はいろんな情報が流れてくるので、「ピンとこない情報はスルーできる」のも大きいと思ってます。
遠藤 それもありますね。どうしても英語学習をしていると、すべての英文を完全に理解しないといけないって考えになりがちですけど、興味のないものまで一生懸命理解しようとする必要はないですからね。
英語学習におけるTwitter運用のコツ
遠藤 次は「英語学習におけるTwitter運用のコツ」についてです。
今井くんはドローンメーカーの公式アカウントをフォローしているという話でしたが、今井くんのそのTwitterアカウントはドローンに特化したアカウントなんですか?
今井 ドローンに特化したアカウントですね。といっても、2個目のアカウントなんですけどね。
1個目のアカウントはいろいろなアカウントをフォローしていたので、雑多なツイートが流れてきていたのですが、そのうちにドローンに関する情報はまとめて読みたいなと思うようになったので、新しくアカウントをつくってドローン関連を切り出した感じです。
遠藤 なるほど。私もTwitter運用においては「趣味特化型アカウント」の方がいいと思っています。流れてくる情報の精度が上がりますし、あと第三者から見てわかりやすいのも大きいと思っています。
今井 あー、確かに。ドローン関連で気の利いたツイートをしている人のアカウントを見にいったときに、タイムラインの内容がドローンに特化していたら、この人の情報は役立ちそうだからフォローしておこうってなりますもんね。
遠藤 そうですね。Twitterアカウントは1つの作品のような感じで考えるといいと思います。
ピンとくるツイートはリツイートしたり、気に入ったツイートにはいいねしたり……。そうやって1つの作品を作り上げているような感じで運用するといいと思います。
今井 なるほど。でも、これ英語学習に関係してなくないですか?
遠藤 一見関係していないように思うかもしれませんが、アカウントの基礎を作ることはとても大事です。というのも、基礎がしっかりしたアカウントの上に、英語の居場所を作ってあげるようにした方が長く続けられるからです。
今井 あっ、そういえば「英語学習をメインにしない」って話をしていましたね。
遠藤 そうです。英語学習をメインにしてしまうと、あまり興味のないツイートばかりが流れてきてしまいます。そうなると、そのアカウントにアクセスしようという気が失せていってしまいますからね。自分がアクセスしたくなるようなアカウントにすることがまずは大事なんです。
気に入ったツイートに一言返信する
遠藤 趣味特化型のTwitterアカウントが作れたら、次は「そのアカウント上にどうやって英語の居場所を作っていくのか」です。
今井 これって、自分の好きなテーマについて英語でツイートしているアカウントを探し出してフォローする以外に何かあるんですか?
遠藤 それ以外にもまだあるんです。順を追って私なりのやり方を説明していきますね。
まず最初のステップは、いま今井くんが言ってくれたように自分の好きなテーマについてツイートしているアカウントをフォローしていってください。
今井 そういえば、そのテーマで英語のツイートをしているアカウントが見当たらない場合はどうしたらいいですか?
遠藤 何もしなくて大丈夫ですよ。ちゃんとテーマ設定ができていれば、そのテーマについてのツイートが流れてくるはずです。そのうちに英語のツイートも流れてくるはずなので、そのツイート主が気に入ればフォローしていきましょう。
今井 焦って探し出さなくてもいいんですね。
遠藤 そうですね。自然な形で英語の居場所を確保していってあげてください。さて、次のステップでは、気に入ったツイートに一言コメントを返信するようにしていきましょう。
今井 え~、それはハードルが高そう。
遠藤 重要なのは「一言コメント」の部分です。気の利いたことを言う必要はありません。「すごい!」のような短いコメントでいいんです。
今井 えっ、そんな短くていいんですか。それなら問題なさそうですね。って、英語ツイートにも同じようにコメントをつけていくんですよね?
遠藤 そうです。Twitter を英語学習に役立てる観点から言えば、この「英語でレスポンスすること」がとても大事だと思っています。「Great!」のような短いコメントでかまいません。英語を使うことに慣れるのが重要なのです。
今井 あっ、それいいですね。英会話の現場でも、日本人は難しく考えすぎているなぁって感じることがよくあります。一言感じたことを言えばいいだけのところを、ちゃんとした英文を作ろうとして、でも作れなくて、結局何も言えなくなってしまってるって場面はあるあるなんですよね。
これについて僕がよくアドバイスするのは、LINEスタンプで表現されているような内容に対応する英語表現を覚えておくといいよってことなんです。
「りょうかい!」とか「冗談でしょ!?」とか「あなたは神か…」とか色々あるじゃないですか。そういう内容を英語で言えるようにしておいたら、すごく役立つんですよね。
遠藤 LINEスタンプの英語表現を覚えておくのはいいですね。英会話の現場でも役立つでしょうし、Twitterの返信にも活用できると思います。
画像編集できるのであれば、絵と英語表現を組み合わせたイラストを自作しておくと重宝しますよ。
今井 すごくいいですね。わかりやすそう。
遠藤 相手も「おっ」と思って、自分のアカウントをフォローしてきてくれるかもしれませんよね。
今井 そりゃあ、自分のツイートに対して気の利いたレスポンスをしてくれて、かつ同じテーマに関するアカウントだったら、フォローしてもいいかなってなりますよね。
遠藤 もちろん日本語ツイートには日本語で、英語ツイートには英語でレスポンスするような感じで、相手に合わせてくださいね。
今井 英語学習というよりも、コミュニケーションの一環ですもんね。
遠藤 その通りです。日常生活の中に英語を少しずつ増やしていくわけですから、ご自身にとっても無理をしなくてよい範囲でやってみてくださいね。
遠藤 はい、今回は以上です。みなさんもぜひTwitterを活用して、英語に触れる機会を設けていってみてくださいね。それでは、またお会いしましょう。ありがとうございました。
今井 ありがとうございましたー。
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