置き換え問題でよく出てくる will と be going to ですが、実際にはニュアンスが違っていて、必ずしも置き換えられるわけではありません。
この記事では will と be going to のコアイメージを元に、両者の違いを解説します。また例文は「主語が人の場合」「主語が自然現象の場合」「疑問文の場合」に分けて、will と be going to の違いのポイントを確認しています。
will と be going to の日本語訳の違い
まず will と be going to の日本語訳がどのように違っているかを確認してみましょう。
例文:I‘ll buy an electric car.(電気自動車を買おう!)
例文:I‘m going to buy an electric car.(電気自動車を買うつもりです)
will の方は「買おう」、be going to の方は「買うつもり」という日本語になっていますが、これだと両方とも話し手の意志を表しているようで違いがわかりにくいですね。
それでは日本語ではなくイメージで will と be going to の違いを確認してみましょう。
will と be going to のイメージの違い
will のコアイメージ
will のコアイメージは「確信度の高い思い」です。
will は話し手の「こうしよう!」という意志や、「きっとこうだろう」という見通しなどを表すときに使われます。
※助動詞 will の持つイメージ・意味についての詳細は「助動詞 will のイメージと意味・用法まとめ」をご参照下さい。
be going to のコアイメージ
be going to do のコアイメージは「既に着手していて、do へ向けて進行しているところ」です。
主語が人の場合は「既にやろうと決めていて、do へ向けて準備しているところ」となるので「~するつもりです」という意味になります。
自然現象の場合は「既に兆候が現れていて、ある現象へ向かって進行しているところ」となるので「~しそうだ」という意味になります。
※現在分詞 going は「スタートはしているが、まだ到達していない、向かっている途中」を表します。現在分詞についての詳細は「現在分詞の意味・用法まとめ」をご参照下さい。
will と be going to の違いのポイント
イメージ | ポイント | |
---|---|---|
will | その場で鮮明に思い描く(見通す) | それまでの流れを含まない |
be going to | 既にスタートしていて進行中である | それまでの流れを含む |
will はその場で鮮明に思い描いたことを述べるものなので、基本的にはそれまでの流れを含まない表現です。
一方で、be going to は既にスタートしていて進行中のものを述べるもので、それまでの流れを含む表現ということになります。
この「それまでの流れ」というポイントに注目して、will と be going to の違いを例文で確認していってみましょう。
will と be going to の違いを例文で確認
主語が人の場合
例文:I‘ll buy an electric car.(電気自動車を買おう!)
I’ll (= I will) buy an electric car. は「電気自動車を買おう」という意味で、意志を表しています。
willの思い描く力によって、その場でパッと思いついたというイメージになります。それまでどう思っていたのかは、この表現からはわかりません。
例文:I‘m going to buy an electric car.(電気自動車を買うつもりです)
I’m (= I am) going to buy an electric car. は「電気自動車を買うつもりです」という意味で、意図と予定を表しています。
前から決めていることから「意図」のニュアンスが、ゴールである電気自動車を買うことから「予定」のニュアンスが出てきています。
具体的には、それまでに買うための準備としてお金を貯めたり、カタログを請求したりしているイメージになります。
主語が自然現象の場合
例文:It will rain tomorrow.(明日はきっと雨だろう)
It will rain tomorrow. は「明日はきっと雨だろう」という意味で、推量を表しています。
必ずしも根拠があるわけでありませんが、話し手の中で雨になることを鮮明に見通しているイメージになります。
例文:It‘s going to rain this afternoon.(午後には雨が降りそうだ)
It’s(=It is) going to rain this afternoon. は「午後には雨が降りそうだ」という意味で、客観的事実に基づく予測を表しています。
具体的には、遠くの山にかかっている雨雲が近づいてきているようなイメージであり、明らかに雨が降りそうな状況で使われます。
疑問文の場合
Will you …?
例文:Will you play tennis?(あなたはテニスをしますか?)
will が疑問文で使われたときは、話し手ではなく聞き手の意志や見通しを尋ねることになります。意味としては「~しますか?」「~でしょうか?」となります。
Will you play tennis? のシチュエーション例
A | 来月、ハワイのテニスコート付きのホテルに泊まる予定なんだ。 |
B | それはすごいね。テニスをするのかな?(Will you play tennis?) |
Will you …? は、パッと思いついたことを確認するときによく使われます。
Are you going to …?
例文:Are you going to play tennis?(あなたはテニスをするつもりですか?)
Are you going to play tennis? は「あなたはテニスをするつもりですか?」という意味で、意図と予定を表しています。
既に着手していることから「意図」のニュアンスが、ゴールであるテニスをすることから「予定」のニュアンスが出てきています。
Are you going to …? は、実際に相手がテニスラケットのお手入れなど何らかの準備をしている場合によく使われる傾向があります。
このように Are you going to …? が相手の行動などそれまでの事実の流れを汲み取った上での質問であるのに対して、Will you …? はパッと思いついたことを尋ねている感じになります。
その違いは「それまでの情報を話し手がどこまで意識しているか」ということです。
まとめ:will と be going to の違い
■ will と be going to の違いのポイント
イメージ | ポイント | |
---|---|---|
will | その場で鮮明に思い描く(見通す) | それまでの流れを含まない |
be going to | 既にスタートしていて進行中である | それまでの流れを含む |
■ will と be going to の違いの例文一覧
例文 | 意味 | 用法 | 備考 |
---|---|---|---|
I will buy… | 買おう! | 意志 | その場で思い描く |
I’m going to buy… | 買うつもり | 意図と予定 | 前から決めており、準備しているところ |
It will rain… | 雨が降るだろう | 推量 | 鮮明に見通している 但し、根拠はないかもしれない |
It’s going to rain… | 雨が降りそうだ | 客観的事実に基づく予測 | 既に兆候が現れていて、進行しているところ |
Will you play…? | しますか? | 聞き手の意志・見通しを尋ねる | パッと思いついたこと |
Are you going to play…? | するつもりですか? | 聞き手の意図・予定を尋ねる | 実際に相手が準備している場合 |
コメント
willは本質には話し手の頭の中での考えや思いの反映があり、be going toはtoに向かって物事が進んでいくというイメージの差がよく理解できる記事でした。現在分詞であるgoingと前置詞toに分けてそれぞれが持つ語の本質からbe going toを説明する点が特によかったです。
私は今までこの2つは同じ意味と捉えていましたが、実は異なることが分かりました。ニュアンスの違いを分かりやすく図も用いてまとめられており、とても良い記事でした。英語が苦手な人はもちろん、得意な人や英語を教えている人にもオススメです。
英語で会話する機会が度々ありますが、WillとBe going toについては特に意識せず、「何となく適当」に使っていたので、とても勉強になりました。最初のコアイメージだけだと、ちょっと頭に入ってきにくかったのですが、その後、具体例を挙げて、説明があったので非常によくわかりました。これからは状況に合わせて使いわけをきちんとできそうです。
文法になると苦手意識が出てしまうので、現在分詞とtoに分ける説明はわかりやすいと思います。
天気にまで使えるとは知らなかったので参考になりました。
全体的に簡潔にまとまっていて読みやすいですし、最後の文法のまとめがすごくよかったです。
be going toはなになにするつもりと昔からおぼえていて、その覚え方にプラスして追加で進行中であるということも覚えておこうと感じました。willの確信度の高い思いという覚え方は覚えやすくて良かったです。
willが意思や推量のイメージを含み、be going toがよりライブ感があるイメージという違いがよく分かった。特に、itを主語にした自然現象に対する場合の説明については、最初は逆のイメージを持っていたのですが、it willのほうが根拠はないが鮮明に見通していて、it is going toのほうが客観的事実に基づいているという言葉にしっくりきました。
willとbe going toは、学校では両方とも未来のことを表す、ということを習い、その意味の違いについてはほとんど学ぶことはありませんでしたので、この意味の違いの説明はとても興味深かったです。特に現在分詞goingとtoにどのようなイメージがあるのかの説明が分かりやすかったです。willとbe going toの意味の違いをまとめたサイト下部の表もとても良かったです。
willとbe going toは同じ意味合いで文章でも置き換えることができる表現だと思っていましたが、核となるイメージを考えるとしっかり使い分ける必要があると感じました。willが確信度の高い思いや意思を意味することに対して、be going toは既に始めていて進行中だという意味だという説明は分かりやすかったです。
willとbe going to は同じ意味だと思っていたのでこの記事で、両者はニュアンスがちょっと違うと知り、驚きました。自分的にはwillもbe going to も全く同じ感覚で使っていてそんなに違和感はありませんでしたが、実際にはこれだけ細かいニュアンスのルールがあるのだとわかってとても勉強になりました。
will は意志や鮮明な見通し、be going to は意図や予定、予測というニュアンスの違いが、例文の訳でよくわかりました。今までは、なんとなく雰囲気で訳していましたが、これからは細かい違いを感じ取れると思います。