ちょっと気になるあの人をランチに誘うとき、What about lunch together? と How about lunch together? のどちらが良いと思いますか?
この記事では、日本語にすると同じ「~はどうですか?」になってしまう、What about と How about の違いをイメージで解説しました。What about の用法、How about の用法もそれぞれ取り上げています。
What about …? と How about …? の元々の文章
実はこの What about …? と How about …? は省略されたフレーズで、元々は What do you think about …? と How do you feel about …? という文章なのです。
例文1:What do you think about it?(それについてあなたは何を考えますか?)
例文2:How do you feel about it?(それについてあなたはどう感じますか?)
what(何)に対しては think(考える)が対応し、how(どのように)に対しては feel(感じる)が対応しています。
What do you think about it? は「意見」を聞くときによく使われます。what は固まりのような堅いイメージです。
How do you feel about it? は「感触」を聞くときによく使われます。how はフワフワした柔らかいイメージです。
続いて、これらの省略形である What about …? と How about …? について個別に確認していきます。
What about …? の意味・用法
意見を聞く(提案)
例文:What about lunch together?(一緒にランチはどうですか?)
What about …? は相手に意見を聞くニュアンスから、「~はどうですか?」という提案の用法が発生しています。
ただし、基本は「意見」を聞くイメージなので、何かをお誘いするときには後述する How about …? の方がしっくりくることが多いです。
指摘
What about …? には提案以外の用法があるので、そちらも確認しておきましょう。文脈があったほうがわかりやすいので、ストーリーから引用します。
大和 | なあ、俺の浴衣変じゃないかな? 浴衣を着るのは初めてなんだよ。 |
加奈 | (不満げに)ちょっと大和の浴衣より、私のはどうなの?(What about mine?) 全然ほめてもらってないけど? |
智一 | (適当に話を合わせて)二人ともよう似合ってるよ。 |
例文:What about mine?(私の浴衣についてはどう思うの?)
What about mine? は「(大和の浴衣より)私の浴衣はどうなの?」と指摘・注意喚起をしています。
what の固まりを持ってきて、相手に「ほらっ」と提示しているようなイメージです。
How about …? の意味・用法
提案(感触を聞く)
例文:How about lunch together?(一緒にランチでもどう?)
How about …? も相手の感触を聞くニュアンスから、「~はどう?」という提案の用法が発生しています。
気持ちや感情といったフワフワしたイメージなので、何かをお誘いするときにはもってこいの表現だと言えます。
自慢
How about …? にも提案以外の用法があります。
N | 大和は、すごい勢いで、次々と金魚をすくい上げます。あまりの腕前に、智一、加奈、そして、店主さえも呆気にとられてしまいます。 |
大和 | (得意げに)どう?(How about that?) すごくない? |
加奈 | 大和にそんな特技があったなんて! |
例文:How about that?(僕の腕前はどうだい?)
How about that? は「(さっきの金魚すくいの腕前に触れて)どう感じた?」という意味です。
もちろん、これは相手の感触を聞くふりをして、「自慢」をしているわけですね。
まとめ:What about と How about の違い
What about …? には主に「意見を聞く(提案)」「指摘」という用法があります。
How about …? には主に「提案(感触を聞く)」「自慢」という用法があります。
※ What about …? には「異議を唱える」、How about …? には「オススメする」という他の用法もありますが、イメージは共通しているので、延長線上で捉えられるかと思います。
なお、冒頭の画像で取り上げている「デートに誘うときの表現」については、What about …? でも通じますが、How about …? のほうがより自然だということになりますね。
コメント
確実に伝わるように工夫されていて大変読みやすい内容でした。応用にも適応できるような問題をもう少し増やして貰えると更にいいものになると思います。
デートに誘うときは“How about …?” のほうがより自然というのがよく理解できました。
“What about”と”How about”の違いは辞書を読んでも似たような説明だった記憶があり、ほぼほぼ同じように使用していました。今回の記事を読んで確かに違った意味合いがあることに気づきました。わかりやすい絵と丁寧な解説ありがとうございました。
母語ではない英語を理解するためには、省略語句を丁寧に補って読む習慣をつけることが大切であることを教えてくれる良い記事だと思います。
カチっとしたものとフワッとしたものの違いで把握しておけば何とかなるのは分かりました。
What about? How about?だけ聞くと大して違いが無い気がしていました。でも、その後に省略されているのがthinkとfeelとなるとニュアンスの違いがはっきりし、今後より適切に使い分けできそうです。元々の文章が何だったか知るのが大事だなあと思いました。