think of と think about は両方とも「~について考える」だと訳せますが、どのような違いがあって、どう使い分ければいいのでしょうか?
think of と think about の違い、わかりにくいですよね。この記事では、of と about のコアイメージを元に、「think of 人 と think about 人 の違い」「think of 物 と think about 物 の違い」を解説しました。
of と about のコアイメージ
of のコアイメージ
of のコアイメージは「背景を作り、その支配下に置く」です。
A of B は「A は B に所属している」という意味が有名ですが、それは「A の背景に B がある」というイメージから発生しているわけです。
なお、think of のように動詞のすぐ後に of が来る場合は、背景から前景へ「分離」させる働きをします。
ここから「存在を取り出す」ニュアンスが発生しています。
※ of の持つイメージ・意味についての詳細は「of のイメージと意味・用法まとめ」をご参照下さい。
※ think of の of のように動詞の意味を修正・更新(modify)するものを「副詞」と呼びます。副詞についての詳細は「副詞とは」をご参照下さい。
about のコアイメージ
about のコアイメージは「まわり」です。
about A は「A のまわり」というイメージになります。
think of 人 / think about 人 の違い
例文:I thought of/about you last night.(昨晩はあなたのことを考えていました)
まずわかりやすい think about から。think about you は「あなたに関することをあれこれ考える」です。
仮に学校の先生が進路指導の場面で生徒に言っているセリフだとすれば、生徒の志望校・成績など「生徒のまわりにある情報」にも考えを巡らせていた、というニュアンスになります。
次に think of。think of you は「あなたそのものを考える」です。of は「あなた」の存在を取り出しているわけです。
恋人同士が電話で交わしているやり取りのようなイメージで、「あなたそのもの」だけを考えていた、というニュアンスになります。
なお、think of you は他にも次のような場面で使われます。
- 親がひとり暮らしをしている子どもに対して:
We think of you a lot.(いつもお前のことを考えているよ) - 病気をして入院している友人に対して:
We are thinking of you.(あなたのことを心配しています)
どちらも「あなたの存在」を取り出して考えているわけですね。
think of 物事 / think about 物事 の違い
例文1:I don’t know why I’ve never thought of it.(なぜそれを一度も考えなかったのか、自分でもわからない)
例文2:I would need a few days to think about it.(それについては2、3日考える時間を頂ければと思います)
まず例文2の think about から。think about it は「it に関することをあれこれ考える」です。じっくり熟慮するニュアンスが含まれています。
次に例文1の think of。think of it は「it(考え)の存在を取り出して考える」というイメージから「思いつく/思い浮かぶ/想像する」という意味になります。
慣用句の Come to think of it(そういえば)も、パッと思いついた考えについて述べるときに使われます。
think of と think about の違い:まとめ
フレーズ | イメージ | 違い |
---|---|---|
think of A | A の存在そのものを考える | A の存在を取り出す |
think about A | A に関することをあれこれ考える | A のまわりにも広げている |
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コメント
絵を見ただけですぐに分かります。難しい2つの言葉を分かり易く絵で表現されていて、これなら英語初心者でも簡単に分かって非常に良いと感じました。絵に加えて、文章の長さもちょうどよく、内容も理解できやすいです。絵がかわいいともっと嬉しいです。
「なお、think of youは他にも次のような場面で使われます。」の例文2つについて、aboutが入った場合どのような意味になってしまうかがあったほうが良いかなと思った。
日本人は、この「of」の使い方がよくわかっていないと思います。私だけかもしれませんが、つい「about」にしがちですからね。
違いがよくわからなかった部分なので、とても理解できました。
例文がいくつもあったので、それも分かりやすかったように思います。
「of」の、think 以外の単語での使われ方もチェックしたいと思いました。
ごく単純な、たった一語のofとaboutで、これだけのニュアンスの差が出るのに英語表現の難しさを感じます。非常によく使う前置詞だけに、非常に用途が広く、使いこなす必要性を痛感します。この記事では、ポイントが分かりやすく説明されていて、非常に参考になります。
なるほどと思いました。正直、ofもaboutも両方そこまで意識して使用していませんでした。どちらかといえばaboutの方を頻繁に使用し、それだけで十分だと思っていました。教科書や新聞で見かけるofについてはaboutの代わり程度としか思っていませんでした。この記事で違いを知ることができ、大変勉強になりました。
「think of you」は「あなたそのものを考える」、「think about you」は「あなたに関することをあれこれ考える」という説明は非常にわかりやすかったです。例文を複数読めたことで、会話での使い分けもイメージしやすかったです。
ただ、一点、「of」のコアイメージに関してだけ少し混乱してしまいました。「of」のコアイメージ図では、「A of B」の場合、Aの輪郭をかたどってBに位置づけているように見えますが、「think of you」のイメージ図では「you」の輪郭をかたどっています。輪郭をかたどるのは「of」の前なのか後なのか、この点だけ少し混乱しました。
言葉だけでは理解しにくい部分を絵で表すことでとても解りやすくなっていると感じました。特にモクモク、フワフワなどは言葉では理解しにくい雰囲気を絵で感じ、覚えることでとても理解しやすくなっていて感心しました。
豊富な図解とシンプルな説明のおかげで、ofとaboutの違いについてはっきりと理解できました。読みやすくて分かりやすい良記事だと思います。ただ、この記事で得たイメージを記憶にしっかり定着させるためにも、もう少し英語の例文を紹介してほしいなとは感じました。
think of とthink aboutの違いがハッキリと分かる解説記事だった。特にofとaboutのコアイメージが非常に分かりやすかった。記事の長さも短くて簡潔でよい。