英語で「朝に」は in the morning なのに、「夜に」は at night になるのって不思議ですよね。この記事では、前置詞 at, in, on のコアイメージを元に、日付・時間を表す前置詞の違いを解説しました。
前置詞のコアイメージ
at のコアイメージ
at のコアイメージは「点に向かう」です。
at の主な用法は「点」「ある地点に移動させる」「場における活動」です。
※前置詞 at の持つイメージ・意味についての詳細は「前置詞 at のイメージと意味・用法まとめ」をご参照下さい。
in のコアイメージ
in のコアイメージは「何かの中にある」です。
in の主な用法は「空間的な内部に存在する」「コンセプトを適用する」「いまから~後に」です。
※前置詞 in の持つイメージ・意味についての詳細は「前置詞 in のイメージと意味・用法まとめ」をご参照下さい。
on のコアイメージ
on のコアイメージは「~に触れている」です。
on の主な用法は「Aの表面にくっついている」「Aに影響を及ぼす」「Aをしている状態」「(手段・媒体としての)Aで」「Aを地面にくっつけている」「(テーマとしての)Aに関して」です。
※前置詞 on の持つイメージ・意味についての詳細は「前置詞 on のイメージと意味・用法まとめ」をご参照下さい。
日付・時間を表す前置詞の違い(総論)
元々、それぞれの前置詞の特徴として、in は「空間」、on は「平面」、at は「点」であるとよく言われます。この特徴を元に、日付・時間を表す場合は次のように分類されます。
- in(範囲):年/月/時間帯
- on(固まり):日/曜日
- at(ピンポイント):時点/特定の活動と結びついている時間・期間
in > on > at の順で時間幅が長くなることはよく指摘されますが、その逆である at > on > in で密着度が高くなることは見落とされがちです。
at の「特定の活動と結びついている時間・期間」は、その活動と密着している間と考えるとよいでしょう。
日付・時間を表す前置詞の例文解説
at が表す日付・時間
例文:I usually get up at 7 o’clock.(私はいつも7時に起きます)
at 7 o’clock で「7時に」という意味。at は7時ぴったりの時点を指しています。
例文:She is at lunch.(彼女は昼食中です)
at lunch は「昼食中」という意味。at lunch は昼食という活動に密着している間というイメージです。
in が表す日付・時間
例文:I first visited Japan in 2015.(私は2015年に初めて日本を訪れました)
in 2015 は「2015年に」という意味。in は2015年の間(範囲)に行われたことを表しています。
on が表す日付・時間
例文:We came to this town on March 24.(私たちは3月24日に、この街にやってきました)
on March 24 は「3月24日に」という意味。日付や曜日を固まりのイメージで捉えて、その上での出来事を述べていると考えるとよいでしょう。
at night と in the morning の違い
例文:I saw him at night.(私は夜に彼を見た)
at night という表現が成立した昔、夜は寝ることと密接に結びついていて、それ以外の活動ができるような環境にはありませんでした。
つまり、at lunch が「昼食を食べている間」であるのに対して、at night とは「夜、寝ている時間」を表していたわけです。
それが科学の進歩によって夜にもいろいろな活動ができるようになったにも関わらず表現がそのままなので、違和感が大きくなってしまったということなのだろうと考えられます。
例文:I saw him in the morning.(私は朝に彼を見た)
in the morning は「午前の間」という意味です。
英語で at morning という表現が成立しなかったのは、朝起きてから何をやるかは人によって違っていて、朝に対して特定の活動が結びつかなかったからだと考えられます。
要するに、活動などと結びついていない純粋な「時間の範囲」を表したいというニーズが強かったため、in the morning という表現が一般的に用いられたのでしょう。
on the night について
例文:I saw him on the night of October 21.(私は10月21日の夜に彼を見た)
on the night of October 21 は「10月21日の夜に」という意味。
on the night は「ある夜の上で」というイメージですが、of October 21 でその夜を10月21日という日付(背景)に位置づけています。
つまり、最終的に日付が意識されているので on が使われているというわけです。
at Christmas と on Christmas の違い
例文:She visited her family on Christmas Day.(彼女はクリスマス当日に家族を訪れた)
on Christmas Day は「クリスマス当日に(12月25日に)」という意味。on Christmas とも表現しますが、それは day が省略されたものです。
単純に12月25日という日付の代わりの表現であり、on Christmas Day = on December 25 となります。
例文:It’s nice to be with family and friends at Christmas.(クリスマスの時期に家族や友人と一緒に過ごすことは良いことです)
at Christmas は「クリスマスの時期に」という意味。一般的に12月24日から26日までの3日間のことを指します。
教会に行って礼拝したり、七面鳥の丸焼きを食べたり、家族や親しい友人と過ごしたりというクリスマスならではの活動と結びついている期間を表しています。
まとめ:日付・時間を表す前置詞 at, in, on の違い
in は「空間」、on は「平面」、at は「点」という特徴を持っています。日付・時間を表す場合は次のように分類されます。
- in(範囲):年/月/時間帯
- on(固まり):日/曜日
- at(ピンポイント):時点/特定の活動と結びついている時間・期間
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コメント
英語を習い始めたころ、atは(そこ)で、 inは(その中)に、 onは(その上)でのように覚えた影響か、未だにそういう風にイメージしがちでした。それだと当てはまらないケースも多々あり、この記事の説明で理解を深めることができました。時間軸と密着度についての説明もわかりやすかったです。
inは空間、onは平面、atは点を示していて、日時を表す場合には、それぞれの前置詞が示す時間の幅が違うということを初めて知りました。それぞれの前置詞が示す時間を図で説明されているのがわかりやすかったです。
日時を表す前置詞の違い(総論)のイメージ図は非常によく理解できた。また、「in>on>at の順で時間幅が長くなることはよく指摘されますが、その逆である at>on>in で密着度が高くなることは見落とされがちです」という一文は「なるほど」と感心させられた。in, on, atすべてが入った例文も入れると、なおよく分かるのではないかと思った。また、at nigh/ in the morning, on Christmas/ at Christmasの違いもよく解説されていると感じた。
at、in、onのコアイメージの説明とても分かり安かったです。onの説明は某予備校のテレビCMでも見たのと似ていましたが、これを日時で表す時にどういう風な感じになるかというのは、時間軸の範囲で変わってくるということも図の説明でわかりました。学校でもこういう授業をしてほしかったです。
at nightとin the morningの違いというのは、確かになんでだろうと今まで気になっていた部分だったので、記事を読めて疑問が解決してよかった。特定の活動との密着度の高さで考えるというのは、とても納得できました。まだまだ感覚の違いがあり、前置詞については使う時に迷うことも多いですが、少し使用しやすくなったような気がします。
たしかに、日時を表す前置詞がわかりにくいと思ったことがありましたが、この記事の解説を見て、ぼやけていたところがハッキリしました。at>on>in の順で密着度が高くなるというということだったんですね。Christmas の例文も参考になりました。
密度や密着度の濃い順にat、on、inという順番なのは今回初めて知りました。こういったことを順番づけて教えてくれる機会や教科書というのはなかなかない気がします。日時を現す前置詞はなかなか使い分けが難しかったので、こちらの記事はとても参考になりました。
前置詞は使い分けがややこしいものではありますが、こちらの記事では図やアニメーションを用いて端的に説明されていてとても分かりやすかったです。難しいという印象を取り払うような内容でしたし、興味を惹き付けるような例題だったので素晴らしい記事だなと感じました。
日時を表す前置詞 at, in, on の違いは、記事の中にある逆三角形の図のように機械的に覚えていましたが、このように具体的に例を挙げてくれたり、コアイメージしていくことで、より理解度が増しました。英語がわかる人もわからない人も、どちらにとっても分かりやすくて良い記事だと思います。
日時を表す前置詞 at, in, on の違いを説明しろと言われてもちょっと自信がありませんでしたが、この記事でやっとわかったという感じです。具体的に言うと、at nightと in the morning は、夜は寝るという習慣に密接に関連しているからatをつけ、それに対して朝は特定の活動が結びつかない理由でatがつかず、 in をつけたという説明は、誰にでもわかる説明であると思いました。
日時を表す前置詞はそのまま覚えていたので、使用するとき迷うことが多々あります。しかし、この記事を読み、コアイメージを頭に浮かべてみると納得感があります。「日時を表す前置詞の違い(総論)」の図は大変参考になりました。
at、in、onのような前置詞は理由を理解せずに、気にせずに覚えてしまう内容なので、この記事の内容は興味深いものだと思いました。具体的な例文で使い方を解説して頂いているのでとても分かりやすかったです。個人的には逆三角形の図が一番よく理解出来ました。
前置詞は空間を切り取メタファーで時間を切り取ります。in the morning at night 以外にat morning in the night もあります。大切なことは、冠詞の有無によって名詞の切り出し方が変わるので、時空間を表す前置詞がそれに合わせて変わるということです。
なぜnoonはat noonなのですか?
noon は元々「真昼、正午」を表す単語です。12時ぴったりという時点を表すときは、点を表す at を使って、at noon(12時ぴったり)と表現します。