a cake、a piece of cake、some cake、some cakes、どれも同じ「ケーキ」という意味で、違いがわからないですよね。この記事では、a cake と a piece of cake の違い、some cake と some cakes の違いをイメージを元に解説しました。
a cake と a piece of cake の違い
フレーズ:a cake(ホールケーキ1つ)
フレーズ:a piece of cake(一切れのケーキ)
a cake は「ホールケーキ」、a piece of cake は「一切れのケーキ」という意味です。
ケーキバイキングなどで出てくるような大きなケーキから切り分けられたケーキを食べた場合は、”I ate a piece of cake.” となります。
しかし、日本語だと普通「私はケーキを食べた」と言うところを “I ate a piece of cake.” と表現するのは、なかなか難しいことですよね。そのまま “I ate a cake.” と言ってしまいそうなものです。
そこで、なぜ a piece of を挟み込まないといけないのかについて少し解説しておきましょう。
ポイントは cake という単語に「製造工程のイメージが含まれている」ことです。
ケーキの製造工程を思い浮かべみてください。ケーキは材料(特に生地)があるかぎり、どこまでも大きく作ることができますよね。
不定冠詞 a は、そのような無制限に広がっていってしまう cake を「枠にはめて、よくある一つのものとして仕上げる」、そういう「型」のような働きをしています。
つまり、a cake は「製造工程における完成品としての一つのケーキ」を表しているわけです。
さて、a cake という言葉が一般的になったその当時作られていたケーキは、基本的に複数人でシェアするホールケーキでした。
そのため、a cake は「ホールケーキ」を基本的に意味することになり、それが今でも続いているわけです。
a cake が複数人でシェアする「ホールケーキ」を意味する以上、食べる用に切り分けたケーキ一つ分については、異なる表現を使う必要があります。
そこで、無制限に広がっていく cake の a piece (一片)という形式で「一切れのケーキ」を表すことになったわけです。
【補足】a cake と a mini cake の違い
a cake はあくまでも「製造工程における完成品としての一つのケーキ」です。
そのため、ケーキ屋さんから一点物として作られた「一人用の小さいケーキ」を買ってきて食べた場合は “I ate a cake.” と表現することもできます。
しかし、ネイティブ的には a cake と言われると「ホールケーキ」のほうが思い浮かんでしまいがちです。
そのような誤解を招かないようにするためには、”I ate a mini cake.” と mini cake(小さいケーキ)であることを明示しておくとよいでしょう。
some cake の意味
フレーズ:some cake(ケーキをいくらか)
some cake は「ケーキをいくらか」という意味です。
some のコアイメージは「ぼかし」ですが、ある全体に対して some を用いると「一部の」という意味になります。
無制限に広がっていく cake を some(一部の)というぼかした型に入れることで、「ケーキをいくらか」という意味になるわけです。
some cakes の意味
フレーズ:some cakes(いくらかのケーキ)
some cakes は「いくらかのケーキ」という意味。
cakes は色々な種類の完成品のケーキが無制限に広がっている状態を表しています。
some cakes は、そのような cakes から some(一部の)というぼかした型によって取り分けるイメージで、「いくらかのケーキ」という意味になります。
some cake と some cakes の違い
some cake は「ケーキをいくらか」、some cakes は「いくらかのケーキ」という意味を表しますが、日本語としては違いがわかりにくいので、例文で違いを確認しておきましょう。
例文:Would you like some cake?(ケーキをいくらかいかがですか?)
some cake は相手にオススメするときによく使われます。
いくらなのかをぼかしている分だけ、相手からすれば「自分でリクエストを出して量を調整できる」ことになるので、オススメするときにはぴったりの表現だというわけですね。
例文:I bought some (mini) cakes.(いくらかのケーキを買ってきたよ)
some cakes は買ってきたケーキが色々な種類のケーキたちであることを表しています。
いわゆる「お父さんが家族の人数分、ケーキを買って帰ってきた」という日本でありそうな場面で、お父さんが言いそうなセリフということになります。
なお、some cakes だと「色々な種類のホールケーキたち」のイメージも出てきてしまうので、some mini cakes と表現したほうが無難です。
まとめ
表現 | 意味 | 注意 |
---|---|---|
a cake | ホールケーキ1つ | 完成品としての一つのケーキ |
a piece of cake | 一切れのケーキ | ケーキバイキングなどでよく見る大きなケーキから切り分けられたケーキ |
a mini cake | 小さなケーキ | 個別に作られた一人用のケーキ |
some cake | ケーキをいくらか | ホールケーキの一部をぼかしながら取り出したイメージ。相手にオススメするときによく使われる。 |
some cakes | いくらかのケーキ | 色々な種類の完成品のケーキたちをぼかしたイメージ |
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コメント
some cakeとsome cakes の違いは分かっていましたが、a cakeと言うと、ネイティブにはホールケーキに取られてしまうこと、個々のケーキをa mini cakeという表現で使うことは知らなかったので、勉強になった。ただ、ネイティブが普通に「ケーキを食べた」と言うときに、I ate a piece of cake.ときちんと「一切れの」を入れて表現するのかちょっと疑問に思った。その辺は、実はネイティブも曖昧なのではないかと思っているのですが。
some cake と some cakes の違いは理解するのが難しいかったですが、例文で some cake は相手にオススメするときによく使われ、some cakes は買ってきたケーキが色々な種類のケーキたちであるという表現がとても解りやすくて一気に理解が進みました。
この内容は、とにかく日本語では捉えにくいものだと思います。
someはぼかしという前提に立ってもやっぱり捉えるのが難しいです。
cakeが基本的にホール単位で考えられているという文化が根底にないと難しいですよね。
我々が食べるのは殆どショートケーキ=mini cakeですし。
some+単数・複数の違いは受験のときに勉強した記憶があります。この記事を読み、これまではあいまいに理解していたことに気づきました。”cake”の例題はわかりやすく、絵と解説付きで誰もが理解できる内容でした。大変参考になりました。
someの訳語に「いくらか」を使っている点が気になりました。「私はいくらかのケーキを買ってきた」と日常会話で話した経験がありません。someが持っている言葉のニュアンスを「いくらか」という日本語が一番的確に表していることは理解できるのですが、別の日本語でふさわしい訳語があると、よりわかりやすくなる気がしました。
ケーキを食べたという時はまさにI ate a cake.としか言っていなかったので、記事を読んでより的確な表現をした方がいいとわかり勉強になりました。またSome cakeとSome cakesの違いを余り考えたことがなかったのですが、とてもわかりやすい説明でそれぞれのニュアンスについてよく理解できました。
とても分かりやすく書かれていました。記事を読む前は、some cakeとsome cakesの違いが理解できていませんでしたが、この記事のおかげで違いが明確になりました。図が用いられているのもとてもよかったです。英語を学ぶのが楽しくなるような内容でした。