映画・ミュージカル『レ・ミゼラブル』の劇中歌「On My Own(オン・マイ・オウン)」とはどういう意味なのでしょうか。この記事では、on my own のイメージを元に、劇中歌に出てくる on my own の意味を解説しました。
on my own のイメージ、用法
on my own のイメージは「自分自身がもつリソース(スキルや資産など)に頼って」です。
on my own の主な用法は「独力で」「独りきりで」「自らの意志で」です。
「自らの意志で」という意味は「頼る先を自分自身のリソースに限定しているため、他人からは影響を受けない」というイメージから発生しています。
それぞれの用法についてですが、レ・ミゼラブル劇中歌「オン・マイ・オウン」と絡めながら解説してみましょう。
レ・ミゼラブル劇中歌「On My Own(オン・マイ・オウン)」の意味
レ・ミゼラブルとは
『レ・ミゼラブル』とは1862年に執筆されたフランス文学の小説です。2012年に公開された映画が有名ですが、いまでもミュージカルとして世界各地で公演されています。日本では2021年に帝国劇場ミュージカルで上演される予定とのことです。
→映画『レ・ミゼラブル(Les Miserables)』(Amazon)
→帝国劇場ミュージカル『レ・ミゼラブル』
その劇中歌「オン・マイ・オウン(On My Own)」は、ごく簡単に説明すると「愛する男性の笑顔を見たいがゆえに、その男性の『別の女性への愛』を応援してしまう、そのような哀しい女性の心境を歌った歌」です。
英語版「On My Own」で on my own という表現が出てくるのは、次の三箇所です。
- タイトルに
- 冒頭に
- 最後に
冒頭の on my own の意味
All alone. I walk with him till morning.
Without him. I feel his arms around me.
(拙訳)
独りでも大丈夫、彼が私のそばにいるような振りをするから。
本当に一人だけど、私は朝が来るまで彼と散歩するの。
彼はいないけれど、私は彼の腕で包まれているように感じられるから。
冒頭に出てくる on my own は「独力で」の用法に近いニュアンスを表しています。「独りでも大丈夫、だって目をつぶれば彼はいつも私のそばにいるから」と述べているわけです。
最後の on my own の意味
A world that’s full of happiness. That I have never known.
I love him. I love him. I love him. But only on my own.
(拙訳)
私がいなければ、彼の世界はきっとうまくいく。
世界は幸せで満ち溢れるの、私がこれまで一度も経験したことがないような。
彼を愛してる、彼を愛してる、彼を愛してる。本当に独りぼっちで。
最後に出てくる on my own は「独りきりで」の用法に近いニュアンスを表しています。
冒頭では「独りでも大丈夫」と気丈に振る舞っていましたが、最後には「本当に独りぼっちで」と、どうしようもない現実を自分自身に言い聞かせているような感じになります。
タイトルの On My Own の意味
タイトルの On My Own は「自らの意志で」の用法に近いニュアンスを表しています。
歌を通して、最初は「独りでも大丈夫」と強がりつつも、最後には「本当に独りぼっち」と辛い現実に目を向けています。
それでもタイトルに On My Own を持ってきている理由は「私は自らの意志でこうすると決めたんだ」という決意を表しているからです。とても上手い構成ですね。
※解釈の仕方は人それぞれですので、この解釈が絶対というわけではありません。
→「On My Own」の歌詞全般を解説しているおすすめサイト
on my own の意味、用法まとめ
on my own のイメージは「自分自身がもつリソース(スキルや資産など)に頼って」です。
on my own の主な用法は「独力で」「独りきりで」「自らの意志で」です。
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コメント
英語の歌詞から英語表現を理解するというのはたまにやりますが、今回のon my ownは、歌詞がより重要となるミュージカルソングからだったので非常にわかりやすかったです。それも3か所それぞれでニュアンスが異なるというのはon my ownの使い分けの参考になり、今後自分で文章を組み立てる際にも役立ちそうです。
そもそも私は、レ・ミゼラブルという作品自体をあんまり知りませんでした。
しかし、自分の意思でそう決めた、というニュアンスを詞の中で表現するものとして使っているという解説で、on my ownの大体の用法やイメージは何となく掴めたと思います。
“on my own” の意味として「独力で」、「独りきりで」、「自らの意志で」はそれぞれ学生時代に暗記したと思います。しかし、それだけを覚えたとしてもいざ外国人と話すときなかなか使えないものです。こちらの記事は生きた英語で例文も書いてあるので大変参考になりました。
on my own のイメージの「自分自身がもつリソース(スキルや資産など)に頼って」というのは解りやすいイメージで理解を助けてくれました。また、レ・ミゼラブルはまったく知らないのですが、説明である程度理解できたので、知らない人でも役に立つ内容になっていたと思います。
on my ownという意味の説明を、レ・ミゼラブルの劇中歌で解説するという発想がとてもよかった。しかも、歌に使われるon my ownの用法が、それぞれに異なり、3用法を意味しているのはとても興味深かった。