冠詞の文法解説
英語では名詞の前に 冠詞(article) を置いて、その名詞が「特定されているのか」「数がいくつか」などを示します。基本の冠詞は a, an, the の3つです。
a と an(不定冠詞)
a / an は「1つの〜」「ある〜」という意味で、特定されていない単数の名詞の前につけます。
冠詞 | 使う場面 | 例 | 説明 |
---|---|---|---|
a | 子音の音で始まる単語の前 | a dog | 初めて話題に出る、一般的な1匹の犬 |
an | 母音の音(a, i, u, e, o)で始まる単語の前 | an apple | 初めて話題に出る、一般的な1つのリンゴ。apple は母音で始まるため an になる。 |
▶ 注意:つづりではなく「発音」で判断する。
- (正) an hour(hour は「h」を発音しないので、母音の音から始まる)
- (誤) a hour
the(定冠詞)
the は「その〜」という意味で、「特定」できるときに用います。それがどれなのか話し手と聞き手がお互いにわかっている前提で使われます。
the を使う場面 | 例 | 説明 |
すでに話題に出たもの | I saw a dog. The dog was cute. | 2文目では「その犬」として the を使う |
目の前にある・文脈で特定できる | Let’s go to the park. | どの公園か両者がわかっている |
世界に一つしかないもの | The sun rises in the east. | 「太陽」は一つしかないので the を使う |
基本例文
文 | 解説 |
This is a book. | 初めて話題に出す単語。 |
I have an umbrella. | 初めて話題に出す単語であり、umbrella は母音で始まるため an になる。 |
She is an English teacher. | 初めて話題に出る単語であり、English は母音で始まるため an になる。 |
The book on the desk is mine. | 机の上の本という情報で特定できる。 |
I went to the park yesterday. | どの公園のことなのか文脈でわかっている前提(話し手が、聞き手はわかっているものと思っている可能性も含む) |
The sun rises in the east. | 太陽は世界で一つだけなので特定できる。 |
書籍『中学英語イメージリンク』では、冠詞についてもイメージでつかめるようにイラストを用いて解説しています。ご興味ありましたらぜひどうぞ!
練習問題
A. 空所に適切な冠詞 (a, an, the) を入れましょう。
- This is ___ apple. (これはリンゴです)
- I have ___ cat. (私は猫を1匹飼っています)
- ___ cat is black. (その猫は黒いです)
- She is ___ English teacher. (彼女は英語の先生です)
- I went to ___ park yesterday. (私は昨日その公園に行きました)
- He bought ___ umbrella.(彼は傘を1本買いました)
- ___ moon is bright tonight.(今夜は月が明るいです)
- That is ___ hourglass.(あれは砂時計です)
B. 並び替えて正しい英文を作りましょう。
- ( an / apple / is / this ). (これはリンゴです)
- ( dog / I / saw / a ). (私は犬を一匹見ました)
- ( sun / the / rises / east / in / the ).(太陽は東から昇ります)
- ( the / umbrella / is / door / by / the ).(その傘はドアのそばにあります)
解答・解説
A. 空所補充
# | 解答 | 解説 |
1 | an | 「apple」は母音音ではじまるので an を使う |
2 | a | 「cat」は子音音ではじまるので a を使う |
3 | The | 「その猫」と特定されているので the を使う |
4 | an | 「English」は母音音ではじまるので an |
5 | the | 「その公園」=聞き手が特定できるので the |
6 | an | 「umbrella」は母音音ではじまるので an |
7 | The | 「月」は唯一の存在なので the を使う |
8 | an | 「hourglass」は h を発音しない(母音音)ので an |
B. 並び替え
# | 解答 | 解説 |
1 | This is an apple. | 「これは1つのリンゴ」=母音音なので an |
2 | I saw a dog. | 「ある犬を見た」=初出で一般的な1匹の犬 |
3 | The sun rises in the east. | 「太陽」は唯一なので the、方角の前も the |
4 | The umbrella is by the door. | 「その傘」「そのドア」=文脈で特定できるので the |
まとめ
✅ a / an は「1つの〜」で、初めて出てきた名詞に使う。
✅ 続く名詞が子音の音で始まる場合は a、母音の音で始まる場合は an を使う。つづりではなく「発音」で判断する(例:an hour)。
✅ the は「その〜」で、特定できる名詞に使う。
✅ 世界に1つしかないもの(太陽・月など)や、文脈上特定できる場合に the を使う。
この記事では、冠詞の基本的な使い方を解説しましたが、もう一歩踏み込んで冠詞のイメージを理解したい方はこちらの記事をご覧ください。
▶ 英語の冠詞とは/a と the の違い
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