see と言えば「見る」という意味が真っ先に浮かびますよね?でも、see の意味はそれだけではありません。
「わかる」「確認する」「会う」… このように see は幅広く使われる単語です。この記事では、日常会話でよく使われる see の用法についてコアイメージをもとに解説していきます。
see のコアイメージ
see のコアイメージは「視界に入ってくる」です。
see は意識的に見るというよりも、自然と目に入ってくることを表します。また、ちゃんと見える感覚から「わかる」という意味でも使われます。
see の意味の樹形図
コアイメージを元に、see の主な意味を分類したものが、次の樹形図です。
see の主な意味と例文
見る、見える
see の基本の意味として「見る、見える」が挙げられます。何かが「視界に入ってくる」→「見る、見える」というわけですね。
例文:I can see the stars clearly tonight.(今夜は星がはっきり見える)
I can see the stars で「星が見える」という意味になります。視界に星が入ってきているイメージで考えるとよいでしょう。
例文:I went to see a movie yesterday.(昨日、映画を見に行った)
see a movie は「映画を見る」という意味。
映画を映画館などで見るときは、受動的に映像を楽しむイメージになるため、see を使います。この「受動的に」のところは、コアイメージの「視界に入ってくる」との相性がいいですね。
比較:I watched a movie on Netflix.(Netflixで映画を観た)
「映画を見る」は watch a movie という表現でも表すことができます。この表現は、家で映画を見るような場合に使われます。
watch は「動いているものを意識して見る」ときに使うので、see との使い分けはざっくり受動的なら see、意識的なら watch と考えるとよいでしょう。
※意識的に見るためには「見る範囲を絞る」必要があります。そのため、watch を使う場合は対象物が絞って見える程度の大きさ・範囲でなければいけません。逆に、対象物が大きくて視界に収まりきらないような場合は、受け身的に見る感覚になるので see を使うことになるわけです。
(昨日虹を見ましたか?)
Look! You can see the ocean from this window.
(見て!この窓から海が見えるよ)
We saw her cross the street and go into the store.
(私たちは彼女が道路を渡って店に入るのを見た)
わかる、把握する
何かがちゃんと見える感覚から、「わかる、把握する」という意味が派生します。
例文:I see what you mean.(あなたの言いたいことがわかります)
I see what you mean. は「あなたの言いたいことがわかる」という意味。
I see. だけでも「なるほど、わかりました」という感じで、何かを把握できたことを表します。英会話でよく使う表現です。
(彼はその議論の要点が理解できなかった)
She finally saw the problem with her plan.
(彼女はついに自分の計画の問題点に気づいた)
Do you see why this is important?
(これがなぜ重要なのかわかりますか)
Now I see why he was upset.
(彼がなぜ怒っていたのか、今わかりました)
確認する
まだきちんと見ていないものを、ちゃんと見てみるイメージから「確認する」という意味が派生します。
例文:Let me see if I have the document.(その書類があるか確認させてください)
let me see は「私に見させてください」が直訳ですが、たいていにおいて「まだきちんと見ていないので、ちゃんと見させてください」→「確認させてください」という意味になります。
(ドアが開けられるか試してみてください)
*「まだやっていないことをやって、どうなるか見てみる」→「試してみる」という意味になります。
Can you see whether the door is locked?
(ドアがちゃんと閉まっているか確認してくれる?)
Please see that everything is in order before we leave.
(出発前にすべてが整っているか確認してください)
He’s seeing if the schedule can be adjusted.
(彼はスケジュールを調整できるか確認しています)
見守る
ある程度の期間で見続けるとき、「見守る」という意味になります。
例文:We’ll see what happens next.(次に何が起こるか見守りましょう)
この see は「ある程度の間、見続ける」→「見守る」という意味になります。
(彼らは自分たちの子供が責任ある大人に成長するのを見守りました)
Let’s see how things go before making a decision.
(決断を下す前に様子を見ましょう)
Time will see him achieve his dreams.
(時が経てば彼は夢を叶えるでしょう)
* 「時は~が…するのを見守るだろう」→「時が経てば~は…するでしょう」。私たち日本人には使いこなすのが難しいフレーズです。
会う
ここまで見てきた see の「見る、見える」「わかる、把握する」「確認する」「見守る」は、主語が対象を見るという一方通行の行為でした。
しかし、主語が対象を見るのと同時に、対象側も主語の方を見て、お互いに相手の存在を視覚的に把握した場合、「会う」という意味になります。
see が「会う」という意味で用いられるとき、単なるお互いの存在を認識するだけでなく、会話などのやり取りを含むことがよくあります。
例文:Nice to see you.(会えて嬉しいよ)
Nice to see you. は「会えて嬉しい」という意味。
この表現は、すでに知っている相手との対面(再会)のときに使います。初対面でこの表現を使うと、相手に「以前、どこかで会ったっけ?」と思わせてしますので注意してください。
初対面の相手は視覚的にちゃんと認識できない(=他の人と区別できない)から、see を使うことができないと考えるとよいでしょう。
比較:Nice to meet you.(あなたと出会えて嬉しいです/はじめまして)
Nice to meet you. は「あなたと出会えて嬉しい」という意味。
meet のコアイメージは「2つのものが出会う」で、see の「会う」よりも明確な接触(やり取りを含む)を表します。
単語のイメージ的には、Nice to meet you. は初対面でも再会でも使えそうな気がしますが、Nice to see you. が再会の方にしか使えないため
・初対面:Nice to meet you.
・再会:Nice to see you.
と使い分けられていることに注意してください。
例文:See you tomorrow.(また明日)
see you tomorrow は I’ll see you tomorrow. の略で「また明日会いましょう」という意味になります。次に会うことを前提とした別れの挨拶です。
・See you.(またね)
・See you later.(また後で)
・See you soon.(また近いうちに)
カジュアルな別れの挨拶として、相手との再会を前提に使われるのが特徴です。
(また後でカフェで会いましょう)
She’s going to see her grandparents this weekend.
(彼女は今週末、祖父母に会いに行くつもりです)
Can I see you for a moment?
(ちょっとお会いできますか?)
They often see each other at the park.
(彼らはよく公園で顔を合わせます)
I need to see a doctor about my cold.
(風邪のことでお医者さんに診てもらわないと)
* see a doctor 医者に診てもらう
まとめ
see のコアイメージは「視界に入ってくる」です。自然と目に入ってくることを表します。
コアイメージを元に、see の主な意味を分類したものが、次の樹形図です。
意味 | 例文 | 日本語訳 |
---|---|---|
見る、見える | I can see the stars clearly tonight. | 今夜は星がはっきり見える |
I went to see a movie yesterday. | 昨日、映画を見に行った | |
わかる、把握する | I see what you mean. | あなたの言いたいことがわかります |
I see. | なるほど、わかりました | |
確認する | Let me see if I have the document. | その書類があるか確認させてください |
見守る | We’ll see what happens next. | 次に何が起こるか見守りましょう |
会う | Nice to see you. | 会えて嬉しいよ ※再会 |
See you tomorrow. | また明日 |
コメント