使役構文(~させる)で有名な have+O+動詞の原形 をイメージで解説しました。また、よく似た意味になる have+O+現在分詞 についても取り上げて、その違いを解説しています。
have+O+動詞の原形 のイメージと意味
have+O+動詞の原形 の意味は「目的語に~させる、目的語に~してもらう」です。
この構文のイメージとしては「周りの環境を整えるなど間接的な働きかけによって、目的語が~するようにする」と考えるとよいでしょう。
~させる
例文1:The teacher had the students write an essay.(先生は生徒に作文を書かせた)
「生徒=作文を書くようにする」で、「生徒に作文を書かせた」という意味になります。
使役構文を使わずに表現した場合
さきほどの例文1の内容を、使役構文を使わずに表現することもできます。
例文2:The students wrote an essay at the teacher’s request.(先生の依頼で、生徒は作文を書いた)
ただし、例文1と例文2を比べると、例文1の方がシンプルで直接的に使役の意味を表すことができます。一方で、例文2はやや固い・形式ばった表現という印象です。
実際に、ChatGPT(4o)に使用頻度の割合を質問してみたところ、次のような結果になりました。
・例文1:The teacher had the students write an essay.: 約70%
・例文2:The students wrote an essay at the teacher’s request.: 約30%
以上のことから、「誰かの影響で、誰それが何かをした」と言いたい場合は、have+O+動詞の原形 のような使役構文を第一優先として使うようにするとよいでしょう。
~してもらう
例文3:I had him check my computer.(彼にPCを確認してもらった)
「彼=私のPCを確認するようにする」で、「彼にPCを確認してもらった」という意味になります。自分の利益になるときは「~してもらう」と訳すとしっくりきます。
使役構文を使わずに表現した場合
この例文3の内容も、使役構文を使わずに表現することもできます。
例文4:He checked my computer for me.(彼は私のためにPCを確認した/彼は私のためにPCを確認してくれた)
例文3と例文4を比べたとき、やはり例文3の方が明確に依頼したことを表しています。一方、例文4の場合、依頼したかどうかは不明で、それはともかく彼が私のためにPCを確認してくれたという表現になります。
この2つの例文についても、ChatGPT(4o)に使用頻度の割合を質問してみたところ、次のような結果になりました。
・例文3:I had him check my computer.: 約60%
・例文4:He checked my computer for me.: 約40%
依頼したニュアンスを明確に出すかどうかによって使い分けるとよいでしょう。
have+O+動詞の原形 の例文
(私はアシスタントにレポートを準備させた)
She had the mechanic fix her car.
(彼女は整備士に車を修理してもらった)
We had the plumber repair the leak.
(私たちは配管工に漏れを修理させた)
have+O+現在分詞 のイメージと意味
have+O+現在分詞 の意味は「目的語に~させている、目的語に~してもらっている」です。
イメージとしては「周りの環境を整えるなど間接的な働きかけによって、目的語を~している状態にする」と考えるとよいでしょう。
~させている、~してもらっている
例文5:She had her guests waiting in the living room.(彼女はゲストをリビングで待たせていた)
「ゲスト=リビングで待っている状態にする」で、「ゲストをリビングで待たせていた/ゲストにリビングで待ってもらっていた」という意味になります。
have+O+現在分詞 の例文
(私は弟にガレージを掃除させているところだった)
The manager had the team working on the project all night.
(マネージャーはチームに一晩中プロジェクトに取り組ませていた)
They had the kids playing outside while they prepared dinner.
(彼らは夕食を準備している間、子供たちを外で遊ばせていた)
have+O+動詞の原形 と have+O+現在分詞 の違い
have+O+動詞の原形 と have+O+現在分詞 は日本語訳したときに近い意味合いになることが多く、その違いがわかりにくいとよく言われます。そこで、次の例文でその違いを確認しておきましょう。
例文6:He had us clap our hands.(彼は私たちに手を叩かせた)
例文7:He had us clapping our hands.(彼は私たちに手を叩かせ続けた)
例文6の had us clap は「単発的行為」として手を叩かせています。一方で、例文7の had us clapping は「継続的行為」として手を叩かせています。
この違いがわかりやすくなるように、例文6・例文7にもう少し言葉を加えた文で確認してみましょう。
例文6’:He had us clap our hands once to end the party.(彼はパーティを締めるために、私たちに一度手を叩かせた)
例文7’:He had us clapping our hands throughout the performance.(彼はパフォーマンスの間中、私たちに手を叩かせ続けた)
この例文6’と例文7’を表したものが、記事冒頭のアイキャッチ画像というわけですね。
まとめ
have+O+動詞の原形 の意味は「目的語に~させる、目的語に~してもらう」です。
have+O+現在分詞 の意味は「目的語に~させている、目的語に~してもらっている」です。
have+O+動詞の原形 は「単発的行為をさせる」、have+O+現在分詞 は「継続的行為をさせる」という違いがあります。
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