英語で「およそ」を表す about と around ですが、どう違うのかわかりにくいですよね。この記事では、about と around のコアイメージを元に、about と around の違いを「時間を表す場合」と「数値を表す場合」に分けて解説しました。
about のコアイメージ
aboutのコアイメージは「まわり」です。
aboutはa(=on)+b(=by)+outの複合語であり、「外側に(out)・近づいて(by)・接触する(on)」というイメージをもっています。
around のコアイメージ
aroundのコアイメージは「円周上に」です。
aroundはa(on)+roundの複合語であり、「円に(round)・接触する(on)」というイメージをもっています。
about と around の違い
時間を表す場合(過去の事実)
例文:The robbery occurred at about 3:00.(3時頃に強盗が発生しました)
例文のabout 3:00は「3時頃」で、だいたい「2:55-3:05」くらいを表します。
もちろん、時間幅の感覚は使う人や状況によって異なるので、あくまで参考として扱ってください。(以下同様です)
例文:The robbery occurred at around 3:00.(3時前後に強盗が発生しました)
例文のaround 3:00は「3時前後」で、だいたい「2:50-3:10」くらいを表します。
aroundはaboutよりも時間幅が長く、大雑把に使われる傾向があります。
また地域的にはアメリカではaroundのほうがよく使われ、イギリスではaboutのほうがよく使われています。
例文:The robbery occurred at approximately 3:02 PM.(午後3時2分頃、強盗が発生しました)
aboutとaroundによく似ている単語にapproximatelyがあります。
例文のapproximately 3:02は「3時2分頃」で、誤差があっても1分くらいであることを表しています。
approximatelyという表現は、aboutやaroundに比べてより正確なニュアンスを含むため、アナウンサーがニュースを伝えるときに使うようなイメージになります。
またaboutやaroundは、聞き手にわかりやすくするために端数をはしょっているわけなので、普段の日常会話で区切りの悪い3:02などの時刻に対して、aboutやaroundをつけると少し微妙な感じになります。
時間を表す場合(進行中の予定)
N | 恵子と太郎が庭の草むしりをしています。 |
太郎 | (うんざりしながら)いま何時? |
恵子 | (ちらっと時計を見て)○○○ |
恵子のセリフとして「about 3:00」「around 3:00」の2つのパターンを考えてみましょう。
例文:It’s about 3:00.(もうすぐ3時よ)
例文のabout 3:00は「もうすぐ3時」で、だいたい「2:50-2:59」くらいを表しています。
このような意味になるのは、時間が進行しており、about 3:00で「3時に近づいて接触する」イメージになるためです。
例文:It’s around 3:00.(3時前後よ)
例文のaround 3:00は「3時前後」で、だいたい「2:50-3:10」くらいを表しています。
aroundは時間が進行していようが、事実として確定されていようが、関係なく「前後」を表します。
以上より、誰かと会う約束をしたとき、時間がabout 3:00で指定された場合は基本的に遅刻厳禁、around 3:00の場合は多少3:00を過ぎてもOKということになります。
もちろん、相手がどういう性格なのかわからない初対面の方の場合は、表現だけで判断せず「遅刻OKなのかどうか」をちゃんと聞いておくのが無難です。(遅刻しないのが一番ですが…)
数値を表す場合
例文:It will cost about 3000 yen.(3000円くらいだよ)
例文のabout 3000 yenは「3000円くらい」で、だいたい「2800-3200円」くらいを表しています。
例文:It will cost around 3000 yen.(3000円前後だよ)
例文のaround 3000 yenは「3000円前後」で、だいたい「2700-3300円」くらいを表しています。
時間のときと同じくaroundの幅が多少広くなる傾向はありますが、数値・金額においてはaboutとaroundのどちらを使っても違いは発生しません。
まとめ:about と around の違い
フレーズ | 意味 | 範囲 |
---|---|---|
about 3:00 | もうすぐ3時(進行中の予定) | 2:50-2:59 |
〃 | 3時頃(過去の事実) | 2:55-3:05 |
around 3:00 | 3時前後 | 2:50-3:10 |
approximately 3:02 | 3時2分頃 | 3:02±1分 |
about 3000 yen | 3000円くらい | 2800-3200円 |
around 3000 yen | 3000円前後 | 2700-3300円 |
コメント
aboutとaroundの微妙な違いが、aboutとaroundのコアイメージ、そして例文に対するイメージ画(幅を緑で示している箇所)を見せることでよく分かった。また言葉でも「about 3:00は「もうすぐ3時」で、だいたい「2:50-2:59」」などと数字で示すことでよりイメージしやすくなった。
非常にわかりやすい解説で、また、地域差についてのちなみに情報もあり、とても面白い記事でした。イギリスとアメリカでの違い、地域による文化の違いについての情報があるととても面白いですね。
一点だけ、aboutのコアイメージの三つの絵の間にある矢印はイメージが進行しているので理解できたのですが、aroundのコアイメージの三つの間の絵にある矢印が少し理解にくかったです。
これは何かが進行しているという意味ではなく、「周辺に」「そばに、前後に」「活発に」といった複数のコアイメージがあるよといった理解でよいのですかね。「周辺に」から派生して、「そばに、前後に」「活発に」という意味にもなるよということでしょうかね。矢印の意図の部分が少しわかりだけわかりづらかったです。
コメントありがとうございます。コアイメージの矢印は、「周辺に」から派生して「そばに、前後に」「活発に」という意味になることを表しています。
とても分かりやすい記事でした。特に豊富な絵が理解を助けてくれました。about と around の違いを視覚的なイメージとともに掴めたのがよかったです。これまで about と around を使い分けたことはありませんでしたが、今後は両者の違いを意識しながら英語に触れてみたいと思いました。そういうきっかけになる記事でした。
「about と around は同じようなものだろう」くらいにしか考えていませんでしたが、違う単語ですから、やはり違いがあったのですね。書かれていたように、人や地域、国によってニュアンスは違うのだと思います。日本語でもそうですものね。
aboutとaroundの違いをここまで意識したことはなく、コアイメージのような考えは全く想像もしていなかったのでビックリしました。aroundのほうがaboutよりも幅が広いことを知っているだけで、今後はその違いを表現していきたいと思います。大変参考になりました。
aroundの方がaboutよりも範囲が広い(大雑把)だというのは理解できたが、地域・人によって許容範囲が大きく違ってくる様な気がするので、about 3:00(過去)の範囲が2:55-3:05などと決めつけるような書き方は危険なのかなと思った。
aboutとaroundの違いってあるのですね、私は同じように使用していましたが、この記事を読んで、確かに違いが分かりました。文章を読まなくても、絵を見るだけですぐに理解でき、強盗の絵はかなりのインパクトがあり、見て大笑いしてしまいました。絵も絶対記憶に残りますし、それに伴ってこの英単語の違いも忘れないでしょう。
また、文章にもラインが引いてあったりしてメリハリがつき、まとめが簡単にできることと、違いが瞬間に理解できるこの記事が凄く気に入りました。勉強が楽しくなりそうです。
「about」も「around」も複合語であることと、その構造「a+b+out」「a+round」を使ってのコアイメージの説明は、印象が強く忘れられません。微妙なニュアンスの違いを知り、その使い分けができるようになった気がします。
aboutとaroundなどによる時間の違いはあまり知らなくてもいい情報だと思うのですが、大変興味深くて読んでいて楽しいといったような内容だと感じました。aboutのコアイメージは「まわり」というのが今回一番読んでためになった内容でした。